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投資総額と借入金の考え方

Q&A
2007年11月09日

■相談内容

 外商投資企業が中国内銀行から(親会社の債務負担を含む)人民元借入を行った場合、この借入は「投資総額=登録資本+借入額」の範囲内でなければならないとの規定とは抵触しないとの話を聞きました。また、既にある会社此れを自由に運用しているといっています。この見解は如何かを伺います。宜しくお願い致します。

■回答内容

 外商投資企業の借入に対する、「借入額≦投資総額-登録資本(以下「投注差」)」という規制についてですが、ここで注意しなければならないのは、この「借入額」に何が含まれるかということです。

 この「借入額」が指すものは、投注差管理が必要な対外債務【1】、つまり基本的には外国からの外貨借入金ですので、中国国内での借入については、人民元建、外貨建を問わず【2】この制限を受けることなく借入をすることができます。

 この中で、中国国内での借入金のうちの「国外機構(親会社等)が保証する借入金」については、2005年4月1日から「偶発債務登記」制度が始まりました。同時に、「借入時(保証時)」に投注差管理が行われるようになりましたが【3】、2005年12月1日に再度変更され、引き続き「偶発債務登記」は必要であるものの、投注差管理は、借入時に行われるのではなく、「保証履行時」に行われることとなりました。

 したがって現在は、借入時においては投注差管理の対象にはなりません【4】が、「保証履行時」にはやはり投注差管理の対象となります。例えば、業況の悪化等により、国外機構が保証を履行しなければならなくなった場合には、投注差管理の対象になるということであり、この時点において借入金が投注差を超える場合は、外債登記できないという事態となりますので、予め注意が必要です。

 (法律、会計、税務に関する専門事項につきましては、コンサル部が委任する律師、登録会計士等に意見を確認した結果を記載しております。)

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【1】「対外債務統計監督測定暫定施行規定」(国家外貨管理局、1987年8月27日公布・施行)
(中文名:「外债统计监测暂行规定」)
第3条  この規定において「外債」とは、中国国内の機関、団体、企業、事業単位、金融機構又はその他機構(以下「借入単位」と総称する)が、中国国外の国際金融組織、外国政府、金融機構、企業又はその他機構に対して、契約に基づき外国通貨での償還義務を負う全ての債務をいう。
第5条  中外合資経営企業、中外合作経営企業及び外資企業の対外借入は、借入単位は正式に借入契約を締結した後15日内に、借入契約の副本を所在地の外国為替管理局に持参し、登記手続をし、逐一登記の「外債登記証」を受領しなければならない。
 2004年6月26日から、中国内外資銀行からの外貨建借入についても、外債登記の対象外となっている。

【2】「『国内外資銀行対外債務管理弁法』を実施することに関係する問題に関する国家外国為替管理局の通知」(国家外国為替管理局、2004年6月21日公布、2004年6月26日施行)
第2条  対外債務登記及び国内外国為替貸金の決済問題について
(1) 6月26日から、国内外資銀行を債権者とする外国為替貸金契約について、債務者は、国家外国為替管理局分支局で対外債務登記手続をする必要はない。国内外資銀行の国内機構に対する外国為替貸金業務については、国家外国為替管理局が2002年12月6日に発布した「国内外国為替貸金の外国為替管理方式の改革を実施することに関する通知」(匯発[2002]125号)及び関係文書に従い国内機構に対する外国為替貸金業務を取り扱う。

【3】 「2005年の国内外資銀行の短期対外債務指標審査・決定業務に関する国家外国為替管理局の通知」(国家外貨管理局、2005年1月26日公布、2005年4月1日施行)
(中文名:「国家外汇管理局关于2005年境内外资银行短期外债指标核定工作的通知」)
4、外資銀行の外国為替担保に関する問題
(3) 国内外国為替指定銀行(中国資本銀行及び外資銀行を含む)が国内外商投資企業に人民元ローンを支給するとき、国外機構の保証の提供を受けることができる。外商投資企業は国外機構保証項目下の人民元ローンを申請するときは、先に当該地外国為替管理局において「国外保証項目下人民元ローン偶発債務登記表」(以下「偶発債務登記表」という)を受取り、関係登記手続きを行う必要がある。
 外国為替局の審査を経て、外商投資企業が借入れた短期外債の残高、中長期外債発生額及び国外機構保証項目下の人民元ローン残高の合計が投資総額と登録資本の差額を超えていない場合に、登記手続を許可することができる。投資総額と登録資本の差額を超える場合は、登記を許可しない。

【4】「対外債務管理を完全化することに関係する問題に関する国家外国為替管理局の通知」(国家外国為替管理局2005年10月21日公布、2007年12月1日施行)
第4条  国内貸付項目下の国外担保管理の規範化
(1) 国内貸付項目下で受け入れる国外担保は、債務者の逐一登記から債権者の定期登記に改める。国内金融機構が外国投資家投資企業に対し人民幣・外貨貸付を実行する場合において、国外の機構又は個人の提供する担保(この通知が発布された時に期日が到来せず、又は期間延長を必要とする担保を含む。以下「国外担保」という。)を受け入れたときは、国内金融機構は、毎月初10営業日内に、所在地の外国為替局に対し「国外担保項目下の貸付及び契約履行状況登記表」(付表2/省略)を記入・報告しなければならない。被担保人は、今後、偶発債務登記手続を逐一しない。
(2) 国内貸付項目下の国外担保は、締結契約額から契約履行額に改め対外債務管理に組み入れる。受け入れた国外担保に担保契約の履行が発生した場合には、債務者は、必ず契約履行日の後15日内に所在地の外国為替局で対外債務登記手続をしなければならず、その対外債務規模は、次に掲げる原則に従い管理をする。すなわち、企業の中長期対外債務累計発生額、短期対外債務残額並びに国外の機構及び個人の担保契約履行額(債務者の実際の対外負債残額に従い計算する。)の和は、当該企業の投資総額と登録資本の差額(以下「投資登録差額」という。)を超えてはならない。

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