忠実義務及び同一人物の複数法人への董事の就任
■相談内容
会社法147条に定める忠実義務とは具体的にどのような義務なのか、そして、その義務を果たすために、会社や董事は何をすべきか教えてください。
上の質問の前提・背景は次の通りです。
中国法人X社・Y社・Z社はいずれも、最終的には日本の同じ親会社が100%出資している会社です。
X社は投資性会社であり、Y社には出資していますが、Z社には出資していません。
X社はY社及びZ社に、有償でサービス提供しています。
X社の董事であるAさんが、Y社及びZ社の董事に就任します。
AさんのY社の董事への就任については、X社自身が出資者なので当然把握していますが、
AさんのZ社の董事への就任については、日本の親会社が出資者として任命派遣することから、X社の与り知らないところで行われることになります。
忠実義務には利益相反が含まれるという見解に触れたことがあるのですが、AさんのZ社の董事への就任という情報がX社に事前に届けられる仕組みを確立する必要はないのか、また、AさんのZ社への董事への就任について、X社の、例えば董事会報告事項にして議事録に残すといった対応は必要ないのか、といったことを考えています。
ただ、これを必要とする法的根拠が分からないのと、そもそも、最終的な株主である日本の親会社が、董事の兼務やシェアードサービスの実施について全て承知しているので問題ないのではないかとも考えています・・・