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【ミニコラム 第62号】ネット配車の遅れで飛行機に乗れず 補償してもらえる?

メールマガジン
2024年06月07日

 現在、中国では、出張や旅行の際にネット配車サービスを利用することが一般的になっていますが、予約した車の到着が遅れたせいで飛行機に乗りそこなった場合、フライトの変更やその他の経済的損失は、誰が責任を負うのでしょうか?
 最近、上海の呉さんが経験したことがきっかけで、この問題について熱い議論が巻き起こりました。
 経緯は次のようなものです。呉さんはネットの配車サービスで空港への送迎を予約しました。予定では、予約車は5時40分までに到着するはずでしたが、運転手が道に不慣れであったため8分遅れ、全速で飛ばして何とか5時56分に空港に着いたものの、5時55分のカウンタークローズに間に合わず、フライト変更の手数料として2400元を払うことになってしまいました。
 呉さんは出張の多い人で、自宅から空港までは車で10分の道のりなので、5分余裕を見ていればチェックイン手続が可能だと思っていました。そのため、もしネット配車の車が時間どおりに到着していれば変更手数料は発生しなかったと考え、配車サイトと運転手がこの手数料分を共同で負担するべきだと主張しました。しかし、配車サイトは車の運賃を払い戻し、100元という小額の補償をしただけで、全額の補償は拒絶しました。その後、交渉がまとまらなかったため、呉さんは上海市長寧区消費者保護委員会にこの件を訴えました。
 長寧区消費者保護委員会の判断は次のようなものでした。
 「《民法典》の規定に基づくと、運転手の遅刻のために乗客が飛行機に乗り遅れた場合、運転手が違約責任を負うべきであり、配車サイトはネット配車情報のサービス提供者であって、実際の運送引受人ではないため、責任分担においては、運転手が賠償を負担し、サイトは一定の補償を与えることができる。
 しかし、一方では、乗客も時間に十分な余裕を持たせていなかった。国内線のチェックインは45分前に登場手続が締め切られるが、一般的には90分前に空港に到着することが推奨されており、5分しか時間を取っていなければ、ギリギリで飛行機に乗ることになるのは間違いない。《民法典》によれば、違約損失は、違約に起因して生ずる可能性のある損失のうち、違約した一方が契約締結時に予見可能であるか、又は予見するべきであった損失を超えてはならないとされている。本件の運転手は、オーダーを受けた時点でタイトなスケジュールであることを知らなかったのであるから、呉さんにも一定の責任がある。」
 この件についてネットユーザーたちは、「空港に駆け込むのに5分で足りる?」、「渋滞や赤信号にひっかかるかもしれないのに」、「5分しか余裕がないって。空港でチェックインの行列ができてたら、前に並んでる人に文句言うの?」などと反応しています。
 確かに、時間がギリギリになると不測の事態が起こりやすいので、余裕を持ってスケジュールを立て、突発的な事態に備えたいものです。この運転手さんも乗客に急き立てられて緊張したことでしょう。迎車時間に遅れたことは残念ですが、交通事故が起こらなかっただけよかったのでは、とも思います。

 

三石


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