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【ミニコラム 第36号】フードデリバリーアプリを通じた薬購入、医療保険で支払い可能に(上海)

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2023年11月17日


 最近、「餓了麼」(ウーラマ)アプリを利用して薬を買おうとしたところ、上海地区では薬のオンライン購入時に公的医療保険を使えるようになったという宣伝バナーが目に入りました。
 調べてみたところ、上海の関連部門がフードデリバリーの「餓了麼」、「美団外売」と連携し、インターネット薬局での支払いに医療保険が使えるようにする試験運用業務を行っているそうです。現在対象となっているのは一部の薬局のみですが、「餓了麼」、「美団外売」アプリを利用して「医療保険支払い」のマークがついている薬を購入しようとすると、支払画面に「個人の医療保険電子アカウントで支払可能」という文言が自動的に表示されます。
 上海の医療保険制度では、個人が所有する医療保険カードに毎月一定額が付与されており、もともと医師の診察を受け、処方箋を持参しなくても、一部の薬については公的医療保険を使って購入することができました。今回、インターネットでの薬購入も対象になったことで、24時間医療保険が使えるようになり、利便性が増したといえます。
 さて、この二つのアプリを比べてみると、「餓了麼」のほうは「医療保険支払い」についての宣伝が目立ち、オンライン医療保険支払い手続き専用の案内ページも設置してありますが、「美団」のほうは「医療保険支払い」の表示も宣伝バナーもなく、自分で検索する必要がありました。実際に二つのアプリで同じ薬局の同じ薬を選択してみましたが、「餓了麼」のほうは支払方法の下に「上海市区の医療保険加入ユーザーは医療保険支払いをお勧めします」という案内が表示され、「医療保険支払いを選択」をクリックすることで、医療保険が適用されますが、「美団」のほうは、支払いページで「代理支払いを依頼」をクリックしなければ「医療保険支払い」の選択肢が出てこず、個人的には、宣伝から実際の操作まで、「餓了麼」のほうが優れていると感じました。もっとも、私が試しに選択してみた薬は、どちらのアプリでも全額が医療保険負担で購入でき、個人負担は梱包配送料のみでしたが、この料金は「美団」のほうが安かったです。
 今のところ、試験運用に参加する医療保険薬局はまだ数が少なく、カバー範囲も十分とは言えないのが現状ですが、各種インフルエンザや肺炎が流行する季節でもあり、病院で行列に並んで病気をうつされるといった危険を冒すことなく、自宅で医療保険を使って医薬品を購入できるこの取り組みは、確実に大きな利便性をもたらすものだと思います。他都市に住むネットユーザーからも、「上海は本当に先を行ってるね、他の都市も早く追いつくべき」とコメントしており、いずれ中国全土に広まっていくかもしれません。
 

(三石)


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