【ミニコラム 第11号】労働節の人・人・人
この前の労働節、キャンプに行ってきました。この3年ほどはコロナで移動が制限されたため、キャンプが大ブームとなり、土日祝日には公園の芝生がテントで埋め尽くされていたため、午前10時半にキャンプ場に到着したときは、もういいテント設営場所は見つからないかもと思っていましたが、意外にも広い場所が空いていました。コロナ禍から解放され、多くの人が省外への旅行を選んだため、キャンプ場の人出が減っていたようです。
労働節前の4月28日、「上海虹橋駅は当日切符が売り切れ」、「北京はすでに大渋滞」というキーワードがトレンドに躍り出て、この連休は間違いなく人波でごった返すだろうことが示唆されていました。私の友人などは、連休前の最終営業日の仕事帰りに、いつもは車で1時間半ほどの道のりに7時間もかかったそうです。そして、北京の円明園のオンラインチケット予約ページも史上初めて完売となりました。
中国文化観光省が、「今年の労働節の連休中、中国国内の観光旅行者数はのべ2億7400万人で、前年同期比70.83%増となり、比較可能な基準では2019年同期比119.09%まで回復しました。また、国内観光収入は1480億5600万元で、前年同期比128.90%増となり、比較可能な基準で2019年同期比100.66%まで回復した」という発表を行っています。
このニュースによると、旅行者数はコロナ前の2019年に比べて19%増加した一方、国内観光収入は0.66%しか増加していないことになります。旅行に出かけても財布の紐は固いようです。また、旅行に出かけられる人々がいる一方でネット上には失業した、工場が倒産した、今年は全く受注が取れていない等々の暗いニュースも多いことから、景気回復にはまだまだ時間がかかりそうです。
(三石)