労働契約終了後の経済補償金
労働契約法がついに施行となりましたが、御社においては万全の体制でこの日を迎えられたでしょうか。
さて、労働契約法では、雇用単位が労働契約に約定する条件を維持し、又は引き上げて労働契約を更新しようとして労働者が更新に同意しない状況を除き、固定期間労働契約を期間満了で終了するとき、企業は経済補償金を支払わなければなりませんが、江蘇省では経済補償金について独自の規定が実施されてきた過去がありますので、今回は江蘇省の経済補償金の支払いにおける過去の規定についておさらいをしておきたいと思います。
「『江蘇省外商投資企業労働管理弁法』の廃止後の労働契約終了により経済補償金を支払うことに関係する問題に関する回答」[蘇人法工函(2002)43号]によれば、
①「江蘇省外商投資企業労働管理弁法」(以下、弁法とする)の廃止後に外商投資企業の従業員の労働契約期間が満了して企業と労働関係を終了する場合において、契約に経済補償金を支払う旨の約定のあるときは、約定に従い補償金を支払う。
②契約に経済補償金について約定のないとき、又は約定された補償の計算開始・終了時が明らかでないとき
(1)1999年8月27日より前の従業員の当該企業における稼動年数について、労働契約の期間満了後に労働関係を終了する場合には、経済補償金を計算して支払わなければならない。
(2)1999年8月27日より2002年5月12日より前の当該企業における稼動年数について、従業員が労働契約の更新を提起したのに企業が更新に同意しなかったときは、経済補償金を計算して支払わなければならない。企業が労働契約の更新を提起したのに従業員が更新に同意しなかったときは、企業は、経済補償金を支払わないことができる。
(3)2002年5月12日以降(当日を含む)に企業が採用した従業員については、労働契約の期間が満了して労働関係を終了する場合には、企業は、従業員に対して経済補償金を支払わないことができる。ただし、労働契約に別段の約定がある場合には、当該規定に従う。と規定されております。
江蘇省では過去に、1987年2月21日から1999年8月26日迄は労働契約終了時には経済補償金の支払いをしなければならないと規定 されており、1999年8月27日~2002年5月11日迄は労働契約期間満了時に、従業員が労働契約の更新を提起したのに企業が更新に同意しなかったときは、経済補償金を支払わなければならないと規定 されておりました。
労働契約行為を定める江蘇省の現行法は2003年12月より施行している「江蘇省労働契約条例」ですが、この新法施行にあたりこれらの旧規定の処理方法について指導したものが本条例になります。
コンサルタント 河合 節子