【ミニコラム 第145号】開工大吉

春節休暇が終わりました。みなさんは、ゆっくり休めましたか。
この春節、私は遼寧省義県の奉国寺を訪れました。遼寧省の出身でありながら、これまで行ったことがなく、南方の友人に強く勧められたことをきっかけに、興味を持って足を運びました。実際に訪れてみて、勧められた理由がよく分かりました。
奉国寺は遼代に創建された千年の皇家寺院です。なかでも大雄殿は、中国に現存する最大の単層木造建築とされ、全面が榫卯(ほぞ組み)構造で、間口九間という規模を誇ります。千年のあいだ地震や戦火を経ながら、今もなおその姿をとどめています。
殿内には、世界最古かつ最大とされる彩色の「過去七仏」群像が安置されています。七仏が横一列に並ぶ構成はきわめて珍しく、それぞれの高さは九メートルを超えます。七尊が並び立つ姿は気勢が大きく、迫力がありました。
大殿の梁組に残る遼代の彩色のなかには、ひげをたくわえた「大叔飛天」と呼ばれる像も見られます。女性像で描かれることの多い飛天とは異なり、その姿はとても印象的で、興味を引かれました。
しかし、私の心に最も強く残ったのは、七仏の前に立つ十四尊の脇侍菩薩のうちの一尊、歯を見せて微笑む菩薩像です。
厳かで静かな仏の世界のなかで、その笑みはひときわ生き生きとして見えました。ガイドの説明によれば、遼代の契丹女性は比較的高い社会的地位と婚姻の自主性を持っていたとされます。そうした自由で包容力のある文化的土壌があったからこそ、匠人たちは当時の少女を手本にし、このように鮮やかで現実味のある造像を生み出すことができたのではないか、とのことでした。
地元出身でありながら、外地の友人に勧められて初めて訪れることになった今回の旅でしたが、千年の古刹の壮大さを実際に目にできたことは大きな収穫でした。そして何より、時代を越えて伝わるあの「大遼の微笑」に、深く心を動かされました。
最も人の心を打つ信仰とは、抽象的な理念というよりも、生き生きとした人の姿そのものから生まれるものなのかもしれません。新しい一年、あの微笑のように、穏やかに前を向いて歩んでいけたらと思います。
開工大吉。
三石





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