【ミニコラム 第71号】全妹妹、オリンピックで3つ目の金メダル
最近、中国ではパリが一番ホットな話題となっています。中国とパリとは8時間の時差がありますが、スポーツファンが試合を観戦し、議論するのには何の障害にもなっていないようです。
8月6日、パリ五輪の女子高飛び込み10メートル決勝で、昨年、国民の妹「全紅嬋」でご紹介した中国のアスリート・全紅嬋が金メダルを守りきりました。全は7月31日にも女子シンクロ高飛び込み10メートルで金メダルに輝いており、東京五輪で獲得した金メダルとあわせ、中国オリンピック史上最年少の17歳131日で3つの金メダルを獲得した選手となりました。これは高飛び込みのスター選手・伏明霞の記録を破る快挙です。
特筆すべきなのは、このパリ五輪の女子高飛び込み10メートル決勝では、3年前の東京五輪と同じ光景が繰り返されたことです。全紅嬋は、またしても同じ中国の選手、陳芋汐と金メダルをかけて戦うことになりました。しかし、3年前に3つの演技すべてで満点をそろえ、決定的な差で金メダルを獲得したのとは違って、今年は、最初のジャンプこそ満点でしたが、後半にミスが出て、最終的には僅差で金メダルを獲得しました。これに対し、多くの中国のネットユーザーは、全の金メダル防衛を祝福する一方で、陳芋汐については胸を痛めています。対照的に、卓球の女子シングルス決勝で陳夢が孫穎莎に4対2で勝利した後は、孫の過激なファンが陳夢に対する攻撃を開始し、悪意を持って情報を捏造し、選手やコーチを貶め、最終的に拘留された者もいたほどです。
夏の暑い日の熱戦観戦は実にエキサイティングですが、理性を保つことも大切だと思います。
三石