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【ミニコラム 第66号】毒キノコを食べる勇気はある?

メールマガジン
2024年07月05日

 最近、山へ野生のキノコを採りに行く人のショートビデオをよく見かけます。ビデオでは、見つかったキノコに毒があるか、美味しく食べるにはどうすればいいか、について解説しています。そのようなショートビデオを見て興味を持った一人、杭州で働く林さんは、ネットショッピングで200元/0.5Kgの「見手青(jian4shou3qing1)」(ウラベニイロガワリの一種)を購入し、1日で全部食べてしまいました。すると、部屋の中に小さな「人」がたくさんいるのが見えたり、携帯電話の画面がゆがんだりするなどの症状が現れ、医師の診察を受けた結果、精神神経性の野生キノコ中毒と診断されたということです。
 手で触ると紫と青に変色することからそう呼ばれる「見手青」は、独自の毒素を持っていますが、非常に美味で、正しい調理法で毒素を取り除くことができるので、高価ではありますが、多くの人々を魅了するキノコです。
 日本ではキノコといえば秋のものというイメージですが、中国では西南部が雨季にあたる6月から10月にかけてが、雲南産の野生キノコが大量に市場に出回る時期であり、野生のキノコによる中毒もこの時期に多発しています。誤飲や不適切な調理で中毒になる人がいる一方で、中毒になって不思議な世界を見たいがために、意図的に幻覚を引き起こすキノコを買い求める人も少なからずいます。
 物流業界の発展により、雲南省の山や森で朝採ったキノコが、夕方には北京や上海などの大都市で食卓に並ぶようになりました。面白いことに、うっかり中毒を起こした場合、解毒の経験が豊富な雲南省まで行って治療を受ける人もいるのだとか。
 皆さんは、食欲を満たすため、あるいは幻覚体験のために毒キノコを食べる勇気があるでしょうか?

 

三石


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