【ミニコラム 第64号】江浙滬のダンスサークル「トップ」の5KMが倒産?
最近、江浙滬(江蘇、浙江、上海)で有名なダンス教室チェーンである「5KM」が経営破綻するとの噂が広まり、6月13日の夕方に「5KM倒産」というワードがリアルタイム検索ランキングに躍り出ました。
現在、上海の5KMには既に閉鎖された教室や、誰も電話に出ない教室もあるといった状態のようです。
5KMは江浙滬の主要なビジネス街に30以上の教室をオープンし、月間1万以上のカリキュラムと670人以上のダンス教師を擁していたそうですが、現在、閉鎖によって上海、杭州、紹興、無錫などの多くの会員が影響を受けています。会員はレッスン料の前払いとして、3,000元以上、多い人では数万元の会員カードを購入していたからです。5KMのスタッフの多くも、4月から給料が未払いとなっており、社会保険も2月までしか支払われていないと述べており、ダンス教師のなかには数万元の報酬を受け取っていないと主張する人もいるようです。
前払となるプリペイドカードを購入した場合、会社が金を持ち逃げしたり、故意に債務とを逃れたりといった事態に見舞われやすく、紛争に発展することがよくあります。
ただ、プリペイドカードを購入すると都度支払よりも料金が安くなるため、その安さにつられてカードを購入する人が多くいるのも事実です。特に中国では「前払いすれば安くするよ」ビジネスが横行しています。
最近、最高人民法院が「プリペイド消費の民事紛争事件を審理する際の法律適用にかかる若干の問題に関する最高人民法院の解釈(一)(意見募集稿)」を起草しましたが、これが正式に公布されれば、人民法院におけるプリペイド消費紛争の裁判に重要な影響を与えることになるでしょう。
しかし、紛争に巻き込まれた後に、法律に基づき権利を守ろうとしても非常に長い道のりとなりますので、プリペイドカードを購入するときには慎重に検討する必要があると思います。
三石