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【ミニコラム 第56号】中国で部屋を借りるときは? 退去時のトラブルに注意

メールマガジン
2024年04月19日


 中国では住宅を借りるときに、家賃の1-2か月分の保証金を支払い、退去時に契約違反等がなければ、この保証金は返金されることになりますが、賃貸上、何の問題もないのにこの保証金を返さないというセコイ大家もいるようです。
 この保証金を返さない大家に対抗して、借主が住居内の設備を壊したり、壁に落書きしたり、排水管を詰まらせたりして出て行ったという動画を大家がUPしているのをよく目にします。その動画に対する視聴者のコメントは「腹黒大家」「(借主は)よくやった」「自業自得」等々、ほとんどが借主よりです。先日は保証金を返さない大家への仕返しで、部屋に鶏とアヒルを何羽か放し飼いにして、部屋中、糞だらけにしたという動画もUPされていました。
 住居賃貸問題で最近、一番ネットを騒がせているのは、江西省上饒市玉山県の大家です。この大家は借主が退去するときに、サーチライトで部屋の隅々、家具、設備を照らしながらチェックして、どんな小さい傷にもマークを付け、そのマークした項目ごとに賠償額を列挙し、総額1万元を借主に請求したという動画です。借主はこの部屋に2週間程度しか住んでおらず、かつ退去時にも部屋はきれいに掃除しており、賃料も千数元という金額にもかかわらず、賠償金が1万元と言われたため、警察に相談したものの警察は民事不介入ということで解決できず、結局は村の委員会が仲介して4千元の賠償金で話がまとまったということでしたが、これに対して、動画視聴者からこの大家に対して批判が殺到し、この大家家族の素性、この賃貸物件建築時の工賃踏み倒し等々が暴露される事態となっています。
 確かにこの動画で部屋の隅々をチェックしまわる大家の様子が映されていますが、退去時のチェックとしては異常です…。最初から賠償金目的で部屋を貸し出しているとしか考えられないようなチェックの仕方です。この大家のせいで江西省の評判がガタ落ちしているようです‥。
 ところで、この事件の顛末ですが、この大家は《治安管理処罰法》に基づき行政拘留、罰金を科せされ,収受した賠償金も返還したようです。

 

永野


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