【ミニコラム 第54号】税務局から通知された自主調査って何?
中国の政府財政が厳しいというのは日本でも報道されていますが、財政状況の厳しさの影響か、最近、税務局、税関の動きが活発化しているようです。動きが活発化?というのは、即ち、税務局は税務調査、税関は査定価格で動き始めているということです。
税務局の話をすると、中央から各地税務局は年度税収指標を設定されており、例年年度末になると指標達成が厳しい地区では税務調査が厳しくなりますが、これまで税収が豊かな上海では年度末にそのようなあからさまな動きはあまり見られなかったのですが、今年は上海でも税務調査の最初の入り口となる自主調査の動きがあるようです。
中国の税務調査は通常、自主調査から開始されます。「自主調査って何ですか?」というと、その字のごとく、自分たちで税務関連申告内容を見直して、納付漏れがないかについて自主的に報告しろということです。自主調査通知が出される場合、調査対象項目が具体的に記載され、その問題点について調査しろという場合と特定の調査対象項目は記載されず、単に過去3年分を洗いなおせという場合があります。後者の場合の多くは税収確保を意図していると思われますが、いずれにしても自主調査の対応は慎重に検討する必要があります。
自主調査による報告内容に税務当局が納得すれば問題ありませんが、自主調査の段階で解決できないと最悪、査察部門による税務調査に入られることになります。
永野