【ミニコラム 第50号】チベット旅行(その2)
今回のチベット旅行では、最終目的地のチョモランマのベースキャンプに向かうため、ラサ⇒ロカ(山南)⇒ギャンツェ(江孜)⇒シガツェ(日喀則)⇒ティンリー(定日)という行程で車移動しました。ツアー客4名だったため、8名定員の小型バンが専用車として手配され、初日から最終日までずっとその車で移動していたのですが、外国人はラサ市内をでて観光する場合には、監視カメラが設置された外国人観光客専用車でしか移動できず、自由に個人車両(もちろんDiDiも)、公共バスには乗車できないということでした。ちなみにチベット旅行するためには入境許可証が必要になり、この許可証がなければラサ行きの飛行機に乗ることはできません。現在、許可証を取得するためにはチベット現地で必ずガイドをつける必要があり、個人自由旅行はできないことになっています。
道路事情については、シガツェまでは高速道路が開通しており、また、高速以外の道路も舗装、整備されています(一部山道はガタゴトが…厳しかったですが)。ガイドからチベット内の高速道は中国で唯一、全面、無料であるため料金所はありませんという説明がありましたが、ただ、そのかわりに公安の関所が高速道路、一般道路の至るところに設置されており、その都度、ガイドが許可証をみせて通行を許可してもらっていました。
今回はラサ市内以外の場所のホテルに宿泊することになっており、どんなホテルかがわからなかったため、使い捨てタオル、使い捨てシーツも持参したのですが、どの町のホテルもきちんとしたホテルでした(ティンリーのホテルは少々難ありでしたが泊まるには問題なし)。また、酸素供給設備はどのホテルにもついており、加湿器も置いてありました。ただ、酸素供給、加湿とも最大にしても、睡眠は浅く、朝起きて鼻をかむと鼻血が出るという状態でした。
冬かつ高地ということで、寒さと高山病が心配だったため、寒さについては極寒対策(ユニクロ極暖、南極でも耐えられるという触込みのダウン等々)を準備し、高山病については日本帰国時に高山病の処方薬である「ダイアモックス」と中国で高地に行くときは必須と言われているブドウ糖アンプル剤を入手して旅行に臨んだのですが、チョモランマの日の出をみるために明け方に5千メートルをこえる峠でスタンバイした時は強風も吹いて零下20度近い極寒でしたが、それ以外は太陽が近いため思ったほど寒くなく、4000mを超える高地をウロウロしていたので、空気が薄く、山道や階段を登るとさすがに息苦しくなりましたが、高山病になることもなく持参した薬もラサに入った初日に1粒飲んだだけで済みました。
ところで今回の旅の目的であったベースキャンプからみるチョモランマですが、雲もなく快晴できれいな姿をみることができました。ただ、思ったよりも遠くに鎮座していました(ベースキャンプが5200mでチョモランマが8848mですから…当たり前と言えば当たり前ですが)。
チョモランマの景色はもちろん別格ですが、道中のまだ手付かずの自然そのままのチベット草原の風景も素晴らしかったです。チベットは高地にあり、人によっては高山病で大変な思いをするため、気軽にはお勧めできないのですが、機会があれば是非訪れてみてください。
永野