【ミニコラム 第1号】住宅ローンの繰上返済申し込みが殺到!
最近、中国のSNSでは「住宅ローンの繰上返済」が話題になっています。
昨年までは、どこの銀行でも繰上返済の受入れ基準は緩やかで、モバイルバンキングアプリから「ワンクリックで申し込み」できるなど、手続きは簡単でした。ところが今年に入ってからは、「年明けに繰上返済を予約しても順番が回ってくるのは4月だ」とか、「9月以降、悪ければ年末まで待たされるうえ、違約金を請求する銀行もある」といった声が多く聞こえてきます。一部の銀行はアプリの繰上返済申込みページさえ閉じてしまい、窓口で予約の列に並ぶしかないということになっています。
今年に入ってから「繰上返済の波」が押し寄せている理由については、住宅購入者はこれまで余剰資金を高利回りの理財商品に投資し、利息収入を得て、住宅ローン返済の足しにしていましたが、理財商品の利回りが昨年年末くらいから下落し、なかにはマイナス金利となり、元本割れする商品も出ているため、理財商品で利息収入を得られる見込みがないのであれば、余剰資金を使って、高金利の住宅ローンを繰上返済したほうが得策だと考えていること。また、住宅ローン金利が下がってきているため(下がったとっても4%近くありますが…)、高い金利で住宅を購入した人のなかには、早々に返済を終えて売却し、低金利の間に新たなローンを組んで住み替えたいと考える人がいることが主な理由のようです。
では、銀行がなぜ繰上返済を嫌がり、手続きを後ろ倒しにするようなことを行っているかというと、銀行は繰上返済されることにより、利息収入がなくなり、更には中国の経済状況が芳しくないなかで優良な貸出先が早々にはないためだと言われています。
(三石)