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改革開放の意味

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2007年06月28日
  中国法のツボ、第6回目の今回は改革開放の意味についてです。中国法を学習していきますと、ありとあらゆる場面で、「改革開放」という言葉が出てきます。改革開放は、1978年12月の共産党大会で鄧小平氏によって採択された理論でありますが、その目的とするところは、文化大革命によって大きな影響を受けた中国を世界に向けて、外資に向けて門戸を開放し、そして中国を改革=「国富を図る」(国を豊かにする)、そういった政策であるということができるわけであります。

  「国富を図る」という改革開放は2つの大きな実現手段を持っていました。その第一でありますが、外国の先進的技術を有するメーカーに中国に来ていただいて、そうした外資メーカーの持つ優れた先進技術を中国にもたらしてもらい、最初は委託加工という、労働集約型のあまり工賃も高くない貿易からビジネスをスタートしますが、いずれは一般貿易、付加価値の高い労働集約型でない貿易を通じて世界を相手にビジネスを展開し、国を豊かにする、そうした考えであったわけであります。

  四半世紀を越えた現在、アメリカの方からは、一般貿易の黒字が出過ぎではないかと批判されるくらいですから、こうした当初の思惑が、当の鄧小平氏の予想を越える程度に、大成功を収めたということは明らかであります。

  また、二つ目でありますが、メーカー系の外資を通じて外貨を獲得する、すなわち、メーカーは土地を獲得し、工場を建て、多くの人を雇います。そうしますと、外国から持ってきた外貨が中国に定着する、こういう大きな特徴があるわけであります。

  国を豊かにする改革開放政策は、このように、1)先進的なメーカー技術の導入、2)これによる外貨の獲得、こういう大きな二つの手段というのがあったわけでありますが、この文脈で、改革開放の当初の本質とされたのが「引進来」、すなわち、引いて進んで来る、外国から中国の方に外資を導入してくる、あくまで中国の方に外資に来てもらう、こうしたある意味、消極的な文脈の政策であったわけであります。

  ところが、改革開放以来、四半世紀近くを経た2001年12月11日には、中国はWTO(世界貿易機関)に加盟し、その世界に向けた開放程度というのをますます加速させていきます。と同時に、加速度的に、中国の豊かさというのは今日に至るまで、どんどんスピードアップをしながら豊かになっているわけでありますが、こうしたなか、2002年11月の第16期共産党大会で確認された重要な政策である「走出去」、すなわち、外へ出て行こうという政策であるわけであります。外へ中国企業が出て行く、海外へ中国企業が羽を伸ばす、そして多くの優れた技術を有する外国企業を買収し、また優れた資源を有する企業を買収する、このように「待ち」の姿勢である「引進来」から、改革開放は、四半世紀を経った現在、「走出去」、すなわち、世界へ向けて出て行こう、というような転換を遂げたわけであります。

  従いまして、第16期共産党大会からすでに3年近くを経過する現在、「改革開放」という政策の意義が、当初の消極的文脈、「引進来」のみならず、積極的文脈、「走出去」、この二つをあい合わせた政策になったと理解しておくことが、重要なように思います。
弁護士法人キャスト糸賀
代表弁護士 村尾龍雄

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