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【速報】新型コロナウイルスによる業務停止期間において、何月何日まで正常賃金を支払わなければならないか(無料公開)

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2020年03月09日

【速報】新型コロナウイルスによる
業務停止期間において、
何月何日まで正常賃金を支払わ
なければならないか 
 

執筆者:上海律師協会労働法業務委員会メンバー                                  
 上海融孚律師事務所 高級パートナー/中国律師                        
    労働業務研究委員会主任                                                       
キャストコンサルティング(上海)有限公司 法律顧問    李 淑芹 

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 2月3日に速報として配信させていただいた「新型コロナウイルスによる肺炎の流行期間における労務管理にかかるQ&A」につきまして、補足情報をご提供いたします。

Q45、(Q24に関して)業務停止期間における賃金待遇について、「1賃金支払周期」は、具体的にどのように計算しますか? また、「生活費基準」は最低賃金基準と同じですか?

 (1)「1賃金支払周期」の計算
 業務停止期間における賃金待遇については、Q24でご説明したとおり、以下のルールに従います。なお、実際の処理については従業員との協議が求められている点に留意ください【1】。

短期の業務停止=1賃金支払周期内
 → 労働契約所定の標準に従い賃金を支払う。
長期の業務停止=1賃金支払周期を超える
 → 正常労働を提供する場合は最低賃金を下回らない額、正常労働を提供しない場合は関係規定に従い「生活費」を支給する。

 
 ここで、「1賃金支払周期」【2】は、通常の月給制であれば1ヶ月となります。
 では、実際に今回の新型コロナウイルスによる業務停止については、何月何日から「1賃金支払周期」を超え、最低賃金を下回らない額又は「生活費」の支給で足りることになるのでしょうか。具体例でみてみましょう。

設例: 仮に、2月10日から操業停止(それまでは祝日又は休日扱い)であったとして、
     この会社の通常の給与計算の締め日は毎月20日であるケース
短期の業務停止=1賃金支払周期内
(A)2月20日までが「1賃金支払周期」であり、2月21日から生活費だけでよい。
(B)「1賃金支払周期」の全期間にわたって業務停止しなければならない。2月21日からの「1賃金支払周期」が過ぎる3月20日までは正常賃金を支払うべきである。
(C)給与計算の締め日にかかわらず、実際の業務停止から起算し、2月10日~3月9日までの1ヶ月が「1賃金支払周期」であり、3月10日以降は生活費だけでよい。
(D)給与計算の締め日にかかわらず、自然月である3月1日~3月31日が「1賃金支払周期」であり、3月31日までは正常賃金を支払わなければならない。

 上海浦東新区人民法院の公式Wechatアカウントで2月13日にて公表されている「十問十答」のQ&A06【3】には、以下のとおり記載されています。
 「実践においては、『1賃金支払周期』の起算につき、多種の理解が存在しており、ある人は業務停止・生産停止したその自然月であると認識し、ある人は業務停止・生産停止した企業の実際の賃金計算周期であると認識している。当該規定の趣旨は、従業員に一定期間の特別の保護を与えるものであり、業務停止・生産停止の日から起算して1ヶ月と理解すべきであろう。」
つまり、このQ&Aを作成した裁判官は、上記(C)の見解をもっているようです。
この点については、複数の理解があり得ることを認識し、できれば、従業員との協議を通じて決定することが望ましいと思われます。

(2)「生活費」の基準
 次に、上記の「生活費」基準は、最低賃金基準と同じものではありません。
 2月3日記事のQ24、でご説明したとおり上海、天津、重慶では生活費の基準として最低賃金基準が用いられていますので、これらの地方では両基準は一致しますが、その他の省・市では最低賃金基準の70%や80%といった地方もありますので、それぞれの地方での基準を確認してください。
 

以上

 


【1】2月3日記事のQ24、をご参照ください。これに加えて、以下の規定なども参照ください。
《新型コロナウィルス感染による肺炎流行予防・抑制期間における労働関係の安定化を適切にし企業の業務再開・生産再開を支援することに関する人的資源社会保障部、全国総工会、中国企業連合会/中国企業家協会及び全国工商連の意見》(人的資源社会保障部/中華全国総工会/中国企業連合会/中国企業家協会/中華全国工商業連合会 2020年2月7日発布 人社部発[2020]8号)

三、感染症流行予防・抑制期間の賃金待遇問題を協議により処理する。
(四)職位復帰しない期間の賃金待遇を協議することを支援する。感染症流行の影響を受けて業務再開が遅延し、又は職位復帰しない期間において、各種休暇を使い切ってなお通常労働を提供することができず、又は通常労働を提供することができないその他の従業員については、企業を指導して、業務停止又は生産停止期間の賃金支払いに関する国の関連規定を参照して従業員と協議させる。1賃金支払周期内おいては労働契約所定の標準に従い賃金を支払い、1賃金支払周期を超える場合には関係規定に従い生活費を支給する

【2】中国語でも「周期」です。「期間」ではないことにご留意ください。

【3】https://mp.weixin.qq.com/s/ZMbgyAtmQlB6aDCWlWvuFw(中国語)

 

 

 

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