就業規則修正のポイント
先月29日に労働契約法(以下では「新法」と略)が公布され、今後の人事・労務管理制度をどのように修正していくべきかについて頭を悩めている担当者も多いのではないかと思います。そこで今回は、労務管理制度の根幹をなすとでも言うべき就業規則の修正ポイントについてご説明させていただきます。
まず、就業規則とは何かといえば、従業員の活動を規律するための規則ということになると思います。では、従業員とはどこまでの者を指すのでしょうか。これについては若干の説明が必要になると思います。
会社で働く人の中には、①直接労働契約を結んだ人、②労務派遣契約に基づき派遣されてくる人、③大学生や定年退職者、「協保」人員など労務契約を締結している人、がいるでしょう。新法の施行により、就業規則の制定・修正を行う際、従業員(全員又は代表)との平等な協議が義務付けられることになりますが、ここでいう従業員に③の大学生アルバイトを含むのか含まないのか、などの線引きをするためにも、従業員の概念について今一度、整理しておいた方がよいでしょう。
また、新法第8条では、労働者募集時に労働者が知りたいとする状況をありのままに説明することを会社に義務付けました。「会社の昇給システムを教えてください」と言われた場合にも当然、説明しなければなりません。第8条を理解していない人事担当者が「それは企業秘密」などといって不適切な対応をしないためにも、就業規則の中でこの点を明文化しておいた方がよいでしょう。
試用期間中の従業員の扱いについて、新法第19、20、21条において期間設定、支払い賃金、契約解除事由に関する、これまでにはなかった細かな規定がなされました。特に第21条では、試用期間中の労働契約を解除する場合には、労働者に理由を説明することを新たに義務付けています。
労働契約の解除については、新法第43条で事前に労働組合に通知することも義務付けられました。契約解除をめぐり争議が発生しないよう、これらの点も就業規則に盛り込んでおき、着任したばかりの総経理、人事部長にもしっかりと理解してもらえるようにしておきましょう。
なお、就業規則に従業員を規律させる目的だけでなく、新しく着任した管理者へのマニュアル的な意味合いを持たせるのであれば、今回の就業規則の見直しを機に、高級管理職が依願退職する際の事前ノーティス期間、服務期間における違約金の設定、経済補償金の支払いなどに関するルールを詳細に書き込んでおくことなども検討された方がよいと思います。
最後に、新法の公布・施行をめぐっては、無固定期間労働契約に対する対応も抜きにしては語れません。これを人事制度の中にどのように位置付け、そして就業規則の中に盛り込んでいくか否かも重要な課題の一つです。
例えば、一部の職位のスタッフについては無固定を回避するために10年未満または2回目の契約更新時に経済補償金を渡して出て行ってもらうとするのか、あるいは、職位にかかわらず企業に長年貢献してもらったスタッフは一律、無固定契約の権利を与えるとするのか。新法の公布・施行により迫られているのは、就業規則の単なる修正ではなく、会社のポリシーそのものだと言えるでしょう。
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就业规则的修改重点
上月29日劳动合同法(以下简称为新法)被公布,今后应如何重建人事、劳务管理体制,对此正在伤脑筋的担当也不少吧。可以说就业规则是劳务管理体制的关键,所以,这次对修改就业规则谈谈看法。
何谓就业规则,我想就是规定员工活动的规则。那么员工是指那些人员呢。对此有必要说明。
在企业工作的人员中间有,①直接签订劳动合同的人员、②依劳务派遣合同被派遣来的人员、③大学生、退休者、「协保」人员等签订劳务合同的人员吧。新法施行后,制订、修改就业规则时,有义务跟员工(全体或者代表)进行平等协商。为了明确这里所说的员工中,是否也包含上述③中勤工俭学的大学生,现在也需要对员工概念梳理一下为好吧。
新法第8条中规定,招聘员工时,公司应该向员工如实相告员工所要知道的情况。如果听到了“请告诉我公司晋升体系吧”时,当然也需要给予说明。为了防止没有理解第8条的人事担当说“那是企业秘密”等应对不当行为,在就业规则中把此点明确为好吧。
关于试用期员工的处理,新法第19、20、21条中详细规定着至今闻所未闻的期间设定、支付工资、解除合同事由等。特别是第21条有新的规定,在试用期间解除劳动合同时,企业有义务向员工说明理由。
关于解除劳动合同,新法第43条规定,企业有义务事先向工会通知。防止围绕解除合同而发生的纠纷,这些内容既需反映在就业规则里,也需让新任总经理、人事部长充分理解吧。
且如果就业规则不仅有让员工守纪律的目的,也有让其成为新任管理者指南的用意,则以这次修改就业规则为契机,研究讨论细化高级管理者自愿辞职时的事先告知期间、依服务期间的违约金设定、经济补偿金的支付等有关规则为好吧。
最后,围绕新法的公布、实施,不能漏掉无固定期间劳动合同问题。把此点在人事制度中如何定位,并在就业规则中如何反映也是重要的课题之一。
比如,对一些职位的员工,企业为了回避无固定合同,10年未满或者续签合同之前支付经济补偿金解除合同,还是不管职位长期为企业贡献的员工一律给予无固定合同的权利。可以说随着新法的公布、施行,迫在眉睫的不只是就业规则的修改,也有公司的政策本身吧。
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