契約期間の長期化へ、労働契約法が公布
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2007年07月07日
遅れる労働者保護 山西省のレンガ工場で、少年を含む5万人以上の労働者が劣悪な環境で強制労働に従事させられていたというショッキングなニュースが最近、日系メディアでも取り上げられました。中国でもここまであくどい事例はめったにないと思われますが、中国の労使関係が現在、どのような段階にあるかを理解する上では示唆的な意味を持つものと思われます。 6月29日付法制日報によると、労働契約の締結率は建築業、飲食サービス業では40%前後、農民労働者では30%前後、中小の非公有制企業では20%に達していないそうです。書面による労働契約がなければ雇用関係の事実自体が曖昧となり、不当労働がはびこる原因にもなりかねない。労働契約法(以下、「新法」とします)の採決が急がれた所以です。 国内外メディアの受け止め方の相違 6月29日に採択された労働契約法(施行は2008年1月1日)制定の主旨について、中国のメディアは上述のような国内の状況を踏まえ、何よりも最初に労働契約の締結を促進するものとして報道しています。「単位は契約を締結しなければ、労働者に2倍の賃金を支払うべし」。書面による労働契約の締結については、1995年1月1日施行の労働法第16条、19条ですでに義務付けられていましたが、国内での実施がなかなか進まないため、新法第82条で一月を超えても労働契約を締結しない場合、2倍の賃金を支払う旨の罰則規定を設けることで、雇用者側に徹底の強化を求めたかたちとなっています。 一方、日本のメディアは「中国『終身雇用』へ新法」(日本経済新聞)、「労働者の権利保護を強化へ 雇用の長期化促す」(朝日新聞)、「労働契約法を採択・・・労務コスト上昇へ」などと報道し、雇用の長期化や労務コストの上昇をもたらすものとして報道しています。 雇用の長期化というのは、新法第14条において、労働者が10年以上勤務したときや2回連続して固定期間労働契約を締結した後、当該労働者が労働契約の更新を提起する場合には無固定期間労働契約を締結しなければならない、と規定している部分などを指します。 また、労務コストの上昇とは、無固定期間労働契約の締結による賃金上昇圧力のほか、いわゆる雇い止めの際にも、勤務年数1年を満たすごとに一月分、6ヶ月未満の場合には半月分の経済補償金を義務付けた部分などを指します(新法第46、47条)。 契約更新回数の計算方法 そこで気になるのが、「うちの従業員とはすでに2回、契約を更新し、次の契約更新が2008年1月15日なのですが、無固定期間の労働契約を締結しなければならないのでしょうか?」という問題でしょう。この点につき、新法第97条では、「固定期間労働契約の連続締結に係る回数は、この法律の施行後に固定期間労働契約を更新したときから計算を開始する。」と規定しています。よって、このケースに即していえば、2008年1月15日の契約更新を1回目にカウントするため、企業側としては、この段階で無固定期間労働契約を締結する義務はないといえます。 但し、固定期間労働契約を締結している限りは、近い将来に無固定期間労働契約の締結を迫られるときは確実に到来することになりますから、今すぐ、1回の契約期間の長期化や労務派遣を通じた間接雇用の活用などを含めた、新たな人事制度の設計を検討していかなければならない、と言えるでしょう。 ------------------------------------------------------------------------------ 合同期间的长期化,劳动合同法公布! 对劳动者迟来的保护 最近在日本媒体也报道了令人吃惊的新闻,在山西省砖窑厂含童工约五万多名劳动者在恶劣的环境下被逼从事强制劳动。即使在中国如此恶毒的事例实属罕见,不过这对理解目前中国劳资关系现状具有启发性意义。 据6月29日法制日报消息,劳动合同签订率在建筑业、餐饮服务业是40%左右,农民劳动者是30%左右,中小非公有制企业是不到20%。没有书面的劳动合同则雇用关系事实本身变得暧昧,也会成为不当劳动蔓延的理由。新劳动合同法(以下、新法)加速通过的原因也在此吧。 国内外媒体的不同理解 6月29日通过的新劳动合同法将于2008年1月1日起施行,对其主旨中国的媒体依上述国内状况,争先报道将会促进劳动合同签订。“没有签订合同的单位应该支付2倍的工资。”关于以书面方式签订劳动合同,1995年1月1日施行的「劳动法」第16条、19条已经义务化了,但是国内实施进展缓慢,所以,新法82条设置了处罚性规定:用工超过一个月尚未签订劳动合同时,要支付2个月的工资,以加强对雇主的监管力度。 同时,日本媒体报道“中国新法迈向‘终身雇用’”(日本经济新闻)、“加强保护劳动者权利,促进雇用长期化”(朝日新闻)、“通过劳动合同法……劳务成本上升”等,认为将导致雇用长期化、劳务成本上升。 关于雇用长期化,新法第14条规定,劳动者工作10年以上或者连续两次签订固定期限劳动合同后,该劳动者提出续签劳动合同时,必须签订无固定劳动合同。 关于劳务成本上升,指除了签订无固定期间劳动合同而工资上升的压力外,也指雇用终止时须支付每满一年支付1个月、6个月未满时支付半个月的经济补偿金义务(新法第46、47条)。 合同续订次数的计算方法 由此有个被担心的问题:「我们的员工已经续订了两次合同,下次合同续订日期为2008年1月15日,到时必须签订无固定期限的劳动合同吗?」。对此新法97条规定:“固定期限劳动合同连续签订次数,从本法律实施后续订固定期间劳动合同时开始计算”。所以,在上述例子中2008年1月15日第一次续订合同时,企业没有签订无固定期间劳动合同的义务。 但是,既然已经签订了固定期限劳动合同,不久的将来肯定会面临被迫签订无固定期限劳动合同的问题,所以,可以说现在马上需要着手研究一次合同期限的长期化及通过劳务派遣的间接雇用形式的运用,探讨重新设计人事制度。 |
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