【公布日】2000.09.21
【公布機関】最高人民法院/司法部 司法通[2000]107号
公証機関が強制執行力を付与する債権文書の執行に関連する問題に関する最高人民法院及び司法部の連合通知
「民事訴訟法」及び「公証暫定施行条例」の関係規定を貫徹し、かつ、強制執行力が付与される債権文書の公証及び執行行為を規範化するため、ここに関連問題について次のように通知する。
第1条 公証機関が強制執行力を付与する債権文書は、次の各号に掲げる条件を具備しなければならない。
(1)債権文書は、貨幣、物品又は有価証券を給付する内容を有する。
(2)債権債務関係が明確で、債権者及び債務者は、債権文書の関連給付内容について疑義を有しない。
(3)債権文書には、債務者が義務を履行せず、又は完全には履行しない場合には、債務者は、法による強制執行の受入れを希望する旨の承諾が明記されている。
第2条 公証機関が強制執行力を付与する債権文書の範囲は、次の各号に掲げるものとする。
(1)金銭借入契約、借用契約及び財産担保なしの賃貸借契約
(2)貨物代金未払いの債権文書
(3)各種借用証憑及び未払書類
(4)金銭(物)償還合意
(5)尊属扶養費、配偶者扶養費、卑属扶養費、学費及び賠償(補償)金の給付を内容とする合意
(6)強制執行力付与条件に適合するその他の債権文書
第3条 公証機関は、強制執行力付与の条件及び範囲に適合する契約、合意、借用証憑及び未払書類等の債権文書の公証を取り扱う場合には、法により当該債権文書に強制執行力を付与しなければならない。
公証を経ていない前条の規定に適合する契約、合意、借用証憑及び未払書類等の債権文書について、履行の過程において債権者が公証機関に対し強制執行力の付与を申請する場合には、公証機関は、必ず債務者の意見を求めなければならない。債務者が公証に同意し、かつ、強制執行の受入れを希望する場合には、公証機関は、法により当該債権文書に強制執行力を付与することができる。
第4条 債務者が公証機関により強制執行力が付与された債権文書を履行せず、又は完全には履行しない場合には、債権者は、原公証機関に対し執行証書を申請することができる。
第5条 公証機関は、執行証書を発行する場合には、次の各号に掲げる内容に注意して審査しなければならない。
(1)不履行又は不完全履行の事実が確実に発生している。
(2)債権者による契約義務の履行の事実及び証拠並びに債務者が債権文書により既に一部を履行している事実
(3)債権文書所定の履行義務について債務者が疑義を有しているか否か。
第6条 公証機関は、執行証書を発行する場合には、被執行人、執行目的及び執行申請の期間を明記しなければならない。債務者が既に履行している部分については、執行証書からこれを控除する。債務者の不履行又は不完全履行に起因して生ずる違約金、利息及び滞納金等については、執行目的に組み入れることができる。
第7条 債権者は、原公証書及び執行証書に基づき管轄権を有する人民法院に対し執行を申し立てることができる。
第8条 人民法院は、執行申立書を受領した場合には、法により所定の手続に従い取り扱わなければならない。必要のある場合には、公証機関から公証記録を取寄せて閲覧することができる。公証機関は、これを提供しなければならない。事件の執行が完了した後に、人民法院は、15日内に事件結了通知を添付して公証記録を公証機関に返還する。
第9条 最高人民法院及び司法部の「『民事訴訟法(試行)』の執行における公証条項にかかわるいくつかの問題に関する通知」及び「既に公証された債権文書につき法により強制執行する問題に関する回答」は、この連合通知発布の日からこれらを廃止する。
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