特許法実施細則
2001年6月15日国務院令第306号により公布 2001年7月1日施行
2002年12月28日国務院令第368号により改正 2003年2月1日施行
2010年1月9日国務院令第569号により改正 2010年2月1日施行
2023年12月11日国務院令第769号により改正、2024年1月20日施行
国務院令第769号
国務院は、「特許法実施細則」について次のような改正をすることを決定した。
一、第2条を次のように改める。「特許法及びこの細則所定の各種手続については、書面による形式又は国務院の特許行政部門所定のその他の形式により取り扱わなければならない。電子データの交換等の方式により、記載される内容を有形的に示すことができ、かつ、随時に取り出して照会することができるデータ電文(以下「電子形式」と総称する。)は、これを書面による形式とみなす。」
二、第4条第2項を第3項に改め、そのうちの「郵送、直接交付その他の方式を通じて当事者に送達することができる」を「電子形式、郵送、直接交付その他の方式を通じて当事者に送達することができる」に改める。
一項を追加し、第2項とし、次のようにする。「電子形式により国務院の特許行政部門に対し各種文書を提出する場合には、国務院の特許行政部門の指定する特定の電子システムにログインした日を提出日とする。」
第3項を第4項に改め、次のように改める。「国務院の特許行政部門の郵送する各種文書については、文書発送の日から15日が経過した日は、これを当事者が文書を受領した日と推定する。当事者が証拠を提供して、実際に文書を受領した日を証明することができる場合には、実際に受領した日を基準とする。」
一項を追加し、第7項とし、次のようにする。「国務院の特許行政部門が電子形式により送達する各種文書については、当事者が認めた電子システムにログインした日を送達日とする。」
三、第5条における「特許法及びこの細則所定の各種期間の初日は、期間内に算入しない」を「特許法及びこの細則所定の各種期間が開始した当日は、期間内に算入せず、翌日から計算を開始する」に改める。
四、第6条第1項を次のように改める。「当事者は、不可抗力の事由により特許法若しくはこの細則所定の期間又は国務院の特許行政部門の指定する期間に遅れ、その権利の喪失を招いた場合には、障害消滅の日から2か月内で、かつ、期間満了の日から2年内に、国務院の特許行政部門に対し権利の回復を請求することができる。」
第2項を次のように改める。「前項所定の事由を除き、当事者は、その他の正当な理由により特許法若しくはこの細則所定の期間又は国務院の特許行政部門の指定する期間に遅れ、その権利の喪失を招いた場合には、国務院の特許行政部門の通知を受領した日から2か月内に国務院の特許行政部門に対し権利の回復を請求することができる。ただし、復審請求期間に遅れた場合には、復審請求期間満了の日から2か月内に国務院の特許行政部門に対し権利の回復を請求することができる。」
第4項を次のように改める。「当事者は、国務院の特許行政部門の指定する期間の延長を請求する場合には、期間満了前に、国務院の特許行政部門に対し期間延長請求書を提出し、理由を説明し、かつ、関係手続をしなければならない。」
五、第9条を次のように改める。「国務院の特許行政部門は、前条の規定により提出された請求を受領した後、審査を経て、当該発明又は実用新案が国の安全又は重大な利益にかかわるおそれがあり秘密保持を必要とすると認める場合には、請求の提出日から2か月内に出願人に対し秘密保持審査通知を発送しなければならない。状況が複雑であるときは、2か月延長することができる。
「国務院の特許行政部門は、前項の規定により、秘密保持審査をする旨を通知する場合には、請求の提出日から4か月内に秘密保持を必要とするか否かの決定をし、かつ、出願人に通知しなければならない。状況が複雑であるときは、2か月延長することができる。」
六、一条を追加し、第11条とし、次のようにする。「特許を出願するにあたっては、信義誠実の原則を遵守しなければならない。各種特許出願を提出するにあたっては、真実の発明創造活動を基礎としなければならず、虚偽を弄してはならない。」
七、一条を追加し、第16条とし、次のようにする。「特許業務は、党及び国の知的財産権の戦略的配置を貫徹し、我が国の特許の創造、運用、保護、管理及びサービスのレベルを高め、全面的な新規創造を支持し、新規創造型の国の建設を促進しなければならない。
「国務院の特許行政部門は、特許情報公共サービス能力を高め、完全に、正確に、かつ、遅滞なく特許情報を発表し、特許基礎データを提供し、特許に関連するデータ資源の開放・共有及び相互接続を促進しなければならない。」
八、第15条を第17条に改め、第1項及び第2項を結合して第1項とし、次のように改める。「特許を出願する場合には、国務院の特許行政部門に対し出願文書を提出しなければならない。出願文書は、所定の要求に適合しなければならない。」
九、一条を追加し、第18条とし、次のようにする。「特許法第18条第1項の規定により特許代理機構に委託して中国において特許を出願させ、及びその他の特許事務を取り扱わせる場合において、次に掲げる事務にかかわるときは、出願人又は特許権者は、自ら取り扱うことができる。
「(一)出願するにあたり優先権を主張する場合において、最初に提出した特許出願(以下「先出願」という。)文書の副本を提出するとき。
「(二)手数料の納付
「(三)国務院の特許行政部門所定のその他の事務」
十、第17条を第20条に改め、第4項を次のように改める。「発明特許出願に1つ又は複数のヌクレオチド又はアミノ酸配列を含む場合には、明細書には、国務院の特許行政部門の規定に適合する配列表が含まれなければならない。」
十一、第23条を第26条に改め、第2項を次のように改める。「明細書の抄録には、発明を最もよく説明することのできる化学式を含めることができる。付属図面のある特許出願については、更に願書において、当該発明又は実用新案の技術的特徴を最もよく説明することのできる明細書付属図面1枚を抄録付属図面として指定しなければならない。抄録においては、商業的宣伝用語を使用してはならない。」
十二、第27条を第30条に改め、次のように改める。「出願人は、各意匠製品につき保護を必要とする内容について、関係する図面又は写真を提出しなければならない。
「部分意匠特許を出願する場合には、製品全体の図を提出し、かつ、破線と実線とを組み合わせる方式その他の方式を用いて、保護を必要とする部分の内容を表明しなければならない。
「出願人は、色彩の保護を請求する場合には、カラー図面又は写真を提出しなければならない。」
十三、第28条を第31条に改め、一項を追加し、第3項とし、次のようにする。「部分意匠特許を出願する場合には、簡潔な説明において、保護を請求する部分を明記しなければならない。ただし、既に製品全体の図において破線と実線とを組み合わせる方式を用いて表明している場合を除く。」
第3項を第4項に改め、次のように改める。「簡潔な説明においては、商業的宣伝用語を使用してはならず、また、製品の性能を説明してもならない。」
十四、第30条を第33条に改め、第2項を次のように改める。「特許法第24条第(三)号にいう『学術会議又は技術会議』とは、国務院の関係主管部門又は全国性学術団体が招集開催を組織する学術会議又は技術会議、及び国務院の関係主管部門が認可する、国際組織が招集開催する学術会議又は技術会議をいう。」
第3項を次のように改める。「特許を出願する発明創造に特許法第24条第(二)号又は第(三)号に掲げる事由がある場合には、出願人は、特許出願を提出する際に声明し、かつ、出願日から2か月内に、関係する発明創造が既に展示され、又は発表されたこと及び展示又は発表日にかかる証明文書を提出しなければならない。」
第4項における「特許法第24条第(三)号」を「特許法第24条第(一)号又は第(四)号」に改める。
十五、第32条を第35条に改め、次のように改める。「出願人は、1件の特許出願において、1項又は多項の優先権を主張することができる。多項の優先権を主張する場合には、当該出願の優先権期間は、最も早い優先日から起算する。
「発明又は実用新案特許出願人は、本国優先権を主張する場合において、先出願が発明特許出願であるときは、同じ主題について発明又は実用新案特許出願を提出することができる。先出願が実用新案特許出願であるときは、同じ主題について実用新案又は発明特許出願を提出することができる。意匠特許出願人は、本国優先権を主張する場合において、先出願が発明又は実用新案特許出願であるときは、付属図面に示されたデザインについて同じ主題の意匠特許出願を提出することができる。先出願が意匠特許出願であるときは、同じ主題について意匠特許出願を提出することができる。ただし、後出願を提出する場合において、先出願の主題につき次に掲げる事由の1つのあるときは、本国優先権を主張する基礎としてはならない。
「(一)既に外国優先権又は本国優先権を主張しているとき。
「(二)既に特許権を付与されているとき。
「(三)規定に従い提出する分割出願に属するとき。
「出願人が本国優先権を主張する場合には、その先出願は、後出願提出の日から取り下げられたものとみなす。ただし、意匠特許出願人が発明又は実用新案特許出願を本国優先権の基礎とするよう主張する場合を除く。」
十六、一条を追加し、第36条とし、次のようにする。「出願人が特許法第29条所定の期間を超え、国務院の特許行政部門に対し、同じ主題について発明又は実用新案特許出願を提出した場合において、正当な理由があるときは、期間満了の日から2か月内に優先権の回復を請求することができる。」
十七、一条を追加し、第37条とし、次のようにする。「発明又は実用新案特許出願人は、優先権を主張している場合には、優先日から16か月内又は出願日から4か月内に、願書において優先権にかかる主張を追加し、又は修正するよう請求することができる。」
十八、一条を追加し、第45条とし、次のようにする。「発明又は実用新案特許出願において、権利請求の範囲若しくは明細書、又は権利請求の範囲若しくは明細書の一部の内容を欠き、又は誤って提出したけれども、出願人が提出日において優先権を主張していた場合には、提出日から2か月内又は国務院の特許行政部門の指定する期間内に先出願文書を引用する方式により補足提出することができる。補足提出した文書が関係規定に適合する場合には、最初に文書を提出した提出日を出願日とする。」
十九、第44条を第50条に改め、第1項を次のように改める。「特許法第34条及び第40条にいう『方式審査』とは、特許出願が特許法第26条又は第27条所定の文書その他必要な文書を具備しているか否か、及び当該文書が所定の様式に適合しているか否かを審査し、かつ、次に掲げる項目を審査することをいう。
「(一)発明特許出願が特許法第5条及び第25条所定の事由に明らかに属するか否か、特許法第17条、第18条第1項及び第19条第1項又はこの細則第11条、第19条及び第29条第2項の規定に適合しないか否か、特許法第2条第2項、第26条第5項、第31条第1項及び第33条又はこの細則第20条から第24条の規定に明らかに適合しないか否か。
「(二)実用新案特許出願が特許法第5条及び第25条所定の事由に明らかに属するか否か、特許法第17条、第18条第1項及び第19条第1項又はこの細則第11条、第19条から第22条及び第24条から第26条の規定に適合しないか否か、特許法第2条第3項、第22条、第26条第3項、第26条第4項、第31条第1項及び第33条又はこの細則第23条及び第49条第1項の規定に明らかに適合しないか否か、特許法第9条の規定により特許権を取得することができないか否か。
「(三)意匠特許出願が特許法第5条及び第25条第1項第(六)号所定の事由に明らかに属するか否か、特許法第17条及び第18条第1項又はこの細則第11条、第19条、第30条及び第31条の規定に適合しないか否か、特許法第2条第4項、第23条第1項、第23条第2項、第27条第2項、第31条第2項及び第33条又はこの細則第49条第1項の規定に明らかに適合しないか否か、特許法第9条の規定により特許権を取得することができないか否か。
「(四)出願文書がこの細則第2条及び第3条第1項の規定に適合するか否か。」
二十、第50条を第56条に改め、一項を追加し、第2項とし、次のようにする。「出願人は、特許出願について遅延審査請求を提出することができる。」
二十一、第53条を第59条に改め、次のように改める。「特許法第38条の規定により、発明特許出願につき実質審査を経て拒絶をするべき事由とは、次をいう。
「(一)出願が特許法第5条若しくは第25条所定の事由に属し、又は特許法第9条の規定により特許権を取得することができないとき。
「(二)出願が特許法第2条第2項、第19条第1項、第22条、第26条第3項から第5項若しくは第31条第1項、又はこの細則第11条若しくは第23条第2項の規定に適合しないとき。
「(三)出願の修正が特許法第33条の規定に適合せず、又は分割された出願がこの細則第49条第1項の規定に適合しないとき。」
二十二、第56条を第62条に改め、第1項を次のように改める。「実用新案又は意匠特許権を付与する旨の決定公告後、特許法第66条所定の特許権者、利害関係人又は権利侵害を主張された者は、国務院の特許行政部門に対し特許権評価報告を出すよう請求することができる。出願人は、特許権登記手続をする際に、国務院の特許行政部門に対し特許権評価報告を出すよう請求することができる。」
第2項を次のように改める。「特許権評価報告を出すよう請求する場合には、特許権評価報告請求書を提出し、特許出願番号又は特許番号を明記しなければならない。各請求は、1つの特許出願又は特許権に限らなければならない。」
二十三、第57条を第63条に改め、次のように改める。「国務院の特許行政部門は、特許権評価報告請求書を受領した後2か月内に特許権評価報告を出さなければならない。ただし、出願人が特許権登記手続をする際に、特許権評価報告を出すよう請求する場合には、国務院の特許行政部門は、特許権付与公告の日から2か月内に特許権評価報告を出さなければならない。
「同一の実用新案又は意匠特許権について、複数の請求人が特許権評価報告を出すよう請求する場合には、国務院の特許行政部門は、1つの特許権評価報告のみを出す。いかなる単位又は個人も、当該特許権評価報告を閲覧し、又は複製することができる。」
二十四、第59条、第61条第2項及び第62条を削除する。
二十五、第63条を第67条に改め、次のように改める。「国務院の特許行政部門は、復審をした後、復審請求が特許法及びこの細則の関係規定に適合せず、又は特許出願に特許法及びこの細則の関係規定に明らかに違反するその他の事由が存在すると認める場合には、復審請求人に通知し、当該復審請求人に対し指定期間内に意見を陳述するよう要求しなければならない。期間が満了しても回答していない場合には、当該復審請求は取り下げられたものとみなす。意見陳述又は修正の実施を経た後に、国務院の特許行政部門は、なお特許法及びこの細則の関係規定に適合しないと認める場合には、復審請求を拒絶する旨の復審決定をしなければならない。
「国務院の特許行政部門は、復審をした後に、原拒絶決定が特許法及びこの細則の関係規定に適合しないと認める場合、又は修正を経た特許出願文書において原拒絶決定及び復審通知書の指摘する欠陥が除去されていると認める場合には、原拒絶決定を取り消し、継続して審査手続をしなければならない。」
二十六、第65条を第69条に改め、第2項を次のように改める。「前項にいう『無効宣告請求の理由』とは、特許を付与された発明創造が特許法第2条、第19条第1項、第22条、第23条、第26条第3項、第26条第4項、第27条第2項若しくは第33条若しくはこの細則第11条、第23条第2項若しくは第49条第1項の規定に適合せず、特許法第5条若しくは第25条所定の事由に属し、又は特許法第9条の規定により特許権を取得することができないことをいう。」
二十七、第69条を第73条に改め、第1項を次のように改める。「無効宣告請求の審査過程において、発明又は実用新案特許の特許権者は、その権利請求の範囲を修正することができる。ただし、原特許の保護範囲を拡大してはならない。国務院の特許行政部門は、修正後の請求項を基礎として、特許権の有効を維持し、又は特許権の一部の無効を宣告する旨の決定をする場合には、修正後の請求項を公告しなければならない。」
二十八、一章を追加し、第5章とし、章名を「特許権の期間補償」とし、これには、第77条から第84条を含む。
二十九、一条を追加し、第77条とし、次のようにする。「特許法第42条第2項の規定により、特許権の期間補償を与えるよう請求する場合には、特許権者は、特許権付与公告の日から3か月内に国務院の特許行政部門に対し提出しなければならない。」
三十、一条を追加し、第78条とし、次のようにする。「特許法第42条第2項の規定により特許権の期間補償を与える場合には、補償期間は、発明特許が授権過程において不合理に遅延した実際の日数に従い計算する。
「前項にいう『発明特許が授権過程において不合理に遅延した実際の日数』とは、発明特許出願日から4年が経過し、かつ、実質審査請求の日から3年が経過した日から特許権付与公告の日までの間の日数をいい、合理的な遅延の日数及び出願人が引き起こした不合理な遅延の日数を差し引く。
「次に掲げる事由は、合理的な遅延に属する。
「(一)第66条の規定により特許出願文書を修正した後に特許権を付与された場合において、復審手続により引き起こされる遅延
「(二)第103条又は第104条所定の事由により引き起こされる遅延
「(三)合理的な事由により引き起こされるその他の遅延
「同一の出願人が同日に同様な発明創造について実用新案特許を出願し、また、発明特許も出願する場合において、この細則第47条第4項の規定により発明特許権を取得するときは、当該発明特許権の期間には、特許法第42条第2項の規定を適用しない。」
三十一、一条を追加し、第79条とし、次のようにする。「特許法第42条第2項所定の、出願人が引き起こす不合理な遅延には、次の事由を含む。
「(一)指定期間内に国務院の特許行政部門の発送した通知に回答していないとき。
「(二)遅延審査を申請するとき。
「(三)第45条所定の事由により引き起こされる遅延
「(四)出願人が引き起こしたその他の不合理な遅延」
三十二、一条を追加し、第80条とし、次のようにする。「特許法第42条第3項にいう『新薬関連発明特許』とは、規定に適合する新薬製品特許、製法特許及び医薬用途特許をいう。」
三十三、一条を追加し、第81条とし、次のようにする。「特許法第42条第3項の規定により新薬関連発明特許権の期間補償を与えるよう請求する場合には、次に掲げる要求に適合しなければならず、当該新薬の中国における上市許可取得日から3か月内に国務院の特許行政部門に対し提出しなければならない。
「(一)当該新薬に同時に複数の特許が存在する場合には、特許権者は、そのうちの1つの特許に対してのみ特許権の期間補償を与えるよう請求することができる。
「(二)1つの特許が同時に複数の新薬にかかわる場合には、1つの新薬に対してのみ当該特許について特許権の期間補償請求を提出することができる。
「(三)当該特許が有効期間内にあり、かつ、新薬関連発明特許権の期間補償を取得したことがない。」
三十四、一条を追加し、第82条とし、次のようにする。「特許法第42条第3項の規定により特許権の期間補償を与える場合には、補償期間は、当該特許出願日から当該新薬の中国における上市許可取得日までの間の日数に従い5年を減じ、特許法第42条第3項の規定に適合することを基礎として確定する。」
三十五、一条を追加し、第83条とし、次のようにする。「新薬関連発明特許が特許権の期間補償の期間にある場合において、当該特許の保護範囲は、当該新薬及びその承認を経た適応症の関連技術方案に限られる。保護範囲内において、特許権者が享有する権利及び負う義務は、特許権の期間補償前と同じである。」
三十六、一条を追加し、第84条とし、次のようにする。「国務院の特許行政部門は、特許法第42条第2項及び第3項の規定により提出された特許権の期間補償請求について審査をした後、補償条件に適合すると認める場合には、期間補償を与える旨の決定をし、かつ、登記及び公告をする。補償条件に適合しない場合には、期間補償を与えない旨の決定をし、かつ、請求を提出した特許権者に通知する。」
三十七、第5章を第6章に改め、章名を「特許実施の特別許諾」に改める。
三十八、一条を追加し、第85条とし、次のようにする。「特許権者は、自らの特許について開放許諾を実行する旨を自由意思により声明する場合には、特許権付与が公告された後に提出しなければならない。
「開放許諾声明には、次の事項を明記しなければならない。
「(一)特許番号
「(二)特許権者の氏名又は名称
「(三)特許使用許諾料の支払方式及び標準
「(四)特許許諾期間
「(五)明確にする必要のあるその他の事項
開放許諾声明の内容は、正確で、かつ、明瞭でなければならず、商業的宣伝用語が出現してはならない。」
三十九、一条を追加し、第86条とし、次のようにする。「特許権に次に掲げる事由の1つがある場合には、特許権者は、当該特許権について開放許諾を実行してはならない。
「(一)特許権が独占的又は排他的許諾の有効期間内にあるとき。
「(二)第103条又は第104条所定の中止事由に属するとき。
「(三)規定どおりに年金を納付していないとき。
「(四)特許権が質権設定され、質権者の同意を経ていないとき。
「(五)特許権の有効な実施を妨害するその他の事由」
四十、一条を追加し、第87条とし、次のようにする。「開放許諾を通じて特許実施許諾を達成した場合には、特許権者又は被許諾者は、許諾を達成した旨を証明することのできる書面文書を証憑として国務院の特許行政部門に対し備案しなければならない。」
四十一、一条を追加し、第88条とし、次のようにする。「特許権者は、虚偽の資料の提供、事実の隠蔽等の手段を通じて、開放許諾声明をしてはならず、又は開放許諾実施期間において特許の年金の減免を取得してはならない。」
四十二、第76条を第92条に改め、第1項を次のように改める。「特許権を付与された単位は、発明者又は考案者と特許法第15条所定の報奨及び報酬の方式及び金額を約定し、又は法により制定された当該単位の規則制度においてこれを定めることができる。特許権を付与された単位が財産権インセンティブを実行し、出資持分、オプション、配当等の方式を採用し、発明者又は考案者に新規創造にかかる収益を合理的に共有させることを奨励する。」
四十三、第77条を第93条に改め、第1項を次のように改める。「特許権を付与された単位が発明者又は考案者と特許法第15条所定の報奨の方式及び金額を約定しておらず、また、法により制定された当該単位の規則制度においてもこれを定めていない場合には、特許権付与公告の日から3か月内に発明者又は考案者に報奨金を支給しなければならない。1つの発明特許の報奨金は、最低でも4000元を下回らない。1つの実用新案特許又は意匠特許の報奨金は、最低でも1500元を下回らない。」
四十四、第78条を第94条に改め、次のように改める。「特許権を付与された単位が発明者又は考案者と特許法第15条所定の報酬の方式及び金額を約定しておらず、また、法により制定された当該単位の規則制度においてもこれを定めていない場合には、『科学技術成果転化促進法』の規定により、発明者又は考案者に合理的な報酬を与えなければならない。」
四十五、第79条を第95条に改め、次のように改める。「省、自治区及び直轄市の人民政府の特許業務を管理する部門並びに特許管理業務量が大きく、かつ、実際の処理能力を有する地級市、自治州、盟、地区及び直轄市の区人民政府の特許業務を管理する部門は、特許紛争を処理し、及び調停することができる。」
四十六、第80条を削除する。
四十七、一条を追加し、第96条とし、次のようにする。「次に掲げる事由の1つがある場合には、特許法第70条にいう、全国において重大な影響を有する特許にかかる権利侵害紛争に属する。
「(一)重大な公共利益にかかわるとき。
「(二)業種の発展に対し重大な影響を有するとき。
「(三)省、自治区及び直轄市を跨ぐ区域の重大事件
「(四)国務院の特許行政部門が重大な影響を有するおそれがあると認めるその他の事由
「特許権者又は利害関係人が国務院の特許行政部門に対し特許にかかる権利侵害紛争を処理するよう請求した場合において、関連事件が、全国において重大な影響を有する特許にかかる権利侵害紛争に属しないときは、国務院の特許行政部門は、管轄権を有する地方人民政府の、特許業務を管理する部門を指定して処理させることができる。」
四十八、一条を追加し、第100条とし、次のようにする。「出願人又は特許権者が第11条又は第88条の規定に違反した場合には、県級以上の特許にかかる法律執行に責任を負う部門が警告をするものとし、10万元以下の罰金を科することができる。」
四十九、第84条を第101条に改め、第3項を次のように改める。「特許を冒用した製品であることを知らずに販売し、かつ、当該製品の適法な源泉を証明することができる場合には、県級以上の特許にかかる法律執行に責任を負う部門が販売停止を命ずる。」
五十、第86条を第103条に改め、第2項を次のように改める。「前項の規定により、関係手続の中止を請求する場合には、国務院の特許行政部門に対し請求書を提出し、理由を説明し、かつ、特許業務を管理する部門又は人民法院の、出願番号又は特許番号が明記された関係受理文書の副本を添付しなければならない。国務院の特許行政部門は、当事者の提出した中止の理由が明らかに成立不能であると認める場合には、関係手続を中止しないことができる。」
五十一、第89条を第106条に改め、一号を追加し、第(五)号とし、次のようにする。「(五)国防特許及び秘密保持特許の秘密解除」
一号を追加し、第(九)号とし、次のようにする。「(九)特許権期間の補償」
一号を追加し、第(十)号とし、次のようにする。「(十)特許実施の開放許諾」
五十二、第90条を第107条に改め、第(五)号を次のように改める。「(五)実用新案特許の明細書の抄録、意匠特許の図面又は写真1枚」
一号を追加し、第(九)号とし、次のようにする。「(九)特許権期間の補償」
一号を追加し、第(十三)号とし、次のようにする。「(十三)特許実施の開放許諾事項」
第(十三)号を第(十五)号に改め、次のように改める。「(十五)特許権者の氏名又は名称、国籍及び住所の変更」
五十三、第93条を第110条に改め、第1項第(三)号における「特許登記料及び公告印刷料」を削除する。
第1項第(五)号を次のように改める。「(五)記録事項変更料、特許権評価報告請求料、無効宣告請求料及び特許文書副本証明料」
第2項を次のように改める。「前項に掲げる各種手数料の納付標準については、国務院の発展改革部門及び財政部門が国務院の特許行政部門と共同して職責分掌に従い定める。国務院の財政部門及び発展改革部門は、国務院の特許行政部門と共同して実際の状況に基づき、特許を出願し、及びその他の手続をするにあたり納付するべき手数料の種類及び標準について調整をすることができる。」
五十四、第94条を第111条に改め、第1項を次のように改める。「特許法及びこの細則所定の各種手数料については、厳格に規定に従い納付しなければならない。」
第2項を削除する。
五十五、第10章を第11章に改め、章名を「発明及び実用新案の国際出願に関する特別規定」に改める。
五十六、第104条を第121条に改め、第1項第(五)号を次のように改める。「(五)国際出願が外国語により提出される場合には、抄録の中国語訳文を提出し、付属図面及び抄録付属図面がある場合には、付属図面の副本を提出し、かつ、抄録付属図面を指定し、付属図面に文字がある場合には、当該文字を対応する中国語文字に差し替える」
第1項第(六)号を次のように改める。「(六)国際段階において国際事務局に対し既に出願人変更手続をしている場合において、必要であるときは、変更後の出願人が出願権を享有する旨の証明資料を提供する。」
五十七、第121条を削除する。
五十八、一条を追加し、第128条とし、次のようにする。「国際出願の出願日が優先権期間が満了した後2か月内であり、国際段階において受理局が既に優先権の回復を承認している場合には、既に第36条の規定により優先権回復請求を提出しているものとみなす。国際段階において出願人が優先権の回復を請求せず、又は優先権回復請求を提出したけれども受理局が承認していない場合において、出願人は、正当な理由があるときは、進入日から2か月内に、国務院の特許行政部門に対し優先権の回復を請求することができる。」
五十九、一章を追加し、第12章とし、章名を「意匠の国際出願に関する特別規定」とし、これには、第136条から第144条を含む。
六十、一条を追加し、第136条とし、次のようにする。「国務院の特許行政部門は、特許法第19条第2項及び第3項の規定に基づき、意匠の国際登録に関するハーグ協定(1999年文書)(以下『ハーグ協定』という。)に従い提出された意匠国際登録申請を処理する。
「国務院の特許行政部門が、ハーグ協定に従い提出され、かつ、中国が指定された意匠国際登録申請(以下「意匠国際申請」という。)を処理する条件及び手続については、この章の規定を適用する。この章に定めのない場合には、特許法及びこの細則のその他の各章の関係規定を適用する。」
六十一、一条を追加し、第137条とし、次のようにする。「ハーグ協定に従い国際登録日が既に確定されており、かつ、中国が指定された意匠国際申請については、国務院の特許行政部門に対し提出された意匠特許出願であるとみなし、当該国際登録日は、特許法第28条にいう出願日であるとみなす。」
六十二、一条を追加し、第138条とし、次のようにする。「国際事務局が意匠国際申請を公表した後に、国務院の特許行政部門は、意匠国際申請について審査をし、かつ、審査結果を国際事務局に通知する。」
六十三、一条を追加し、第139条とし、次のようにする。「国際事務局が公表する意匠国際申請に1項又は多項の優先権が含まれる場合には、既に特許法第30条の規定により書面による声明が提出されているものとみなす。
「意匠国際申請の申請人は、優先権を主張する場合には、意匠国際申請の公表の日から3か月内に、先出願文書の副本を提出しなければならない。」
六十四、一条を追加し、第140条とし、次のようにする。「意匠国際申請がかかわる意匠に特許法第24条第(二)号又は第(三)号に掲げる事由がある場合には、意匠国際申請を提出する際に声明し、かつ、意匠国際申請の公表の日から2か月内に第33条第3項所定の関係証明文書を提出しなければならない。」
六十五、一条を追加し、第141条とし、次のようにする。「1つの意匠国際申請に2つ以上の意匠が含まれる場合には、申請人は、意匠国際申請の公表の日から2か月内に、国務院の特許行政部門に対し分割出願を提出し、かつ、手数料を納付することができる。」
六十六、一条を追加し、第142条とし、次のようにする。「国際事務局の公表する意匠国際申請に、デザインの要点を含む明細書が含まれる場合には、既に第31条の規定により簡潔な説明を提出しているものとみなす。」
六十七、一条を追加し、第143条とし、次のようにする。「意匠国際申請について国務院の特許行政部門による審査を経た後に拒絶の理由が発見されない場合には、国務院の特許行政部門が保護を与える旨の決定をし、国際事務局に通知する。
「国務院の特許行政部門は、保護を与える旨の決定をした後、公告をし、当該意匠特許権は、公告の日から効力を生ずる。」
六十八、一条を追加し、第144条とし、次のようにする。「既に国際事務局において権利変更手続がなされている場合には、出願人は、国務院の特許行政部門に対し関係証明資料を提供しなければならない。」
六十九、一部の条文について次の改正をする。
(一)第12条を第13条に改め、第2項における「技術資料」を「技術情報及び資料」に改める。
(二)第16条を第19条に改め、第(二)号における「組織機構コード又は居住者身分証書番号」を「統一社会信用コード又は身分証書番号」に改め、第(四)号における「特許代理人の氏名、業務執行証書番号」を「弁理士の氏名、弁理士資格証番号」に改める。
(三)第26条を第29条に改め、第1項における「実際の、又は潜在的な価値を有する材料」の後に「及びこの種の材料を利用して生じた遺伝情報」を追加する。
(四)第37条を第42条に改め、第(四)号を次のように改める。「(四)復審又は無効宣告手続において、かつて原出願の審査に参与したことのあるとき。」
(五)第39条を第44条に改め、第(三)号を次のように改める。「(三)出願文書の様式が規定に適合しないとき。」
(六)第43条を第49条に改め、第3項を次のように改める。「分割出願の願書には、原出願の出願番号及び出願日を明記しなければならない。」
(七)第4章における「特許復審委員会」を「国務院の特許行政部門」に改める。
(八)第82条を第98条に改め、第1項における「特許復審委員会」を「国務院の特許行政部門」に改める。
(九)第83条を第99条に改め、第2項における「特許業務を管理する部門」を「県級以上の特許にかかる法律執行に責任を負う部門」に改める。
(十)第97条を第114条に改め、そのうちの「特許登記料、公告印刷料及び」を削除する。
(十一)第100条を第117条に改め、そのうちの「納付の軽減又は猶予」を「納付の軽減」に改め、「国務院の価格管理部門」を「国務院の発展改革部門」に改める。
(十二)第114条を第132条に改め、第2項における「国際公開日」の後に「又は国務院の特許行政部門が公開する日」を追加する。
(十三)第119条を第146条に改め、第2項における「代理人」を「弁理士」に改め、「かつ、変更理由の証明資料を添付しなければならない。」を「必要である場合には、変更理由の証明資料を提出しなければならない」に改める。
このほか、2020年10月17日に採択された「『特許法』の改正に関する全国人民代表大会常務委員会の決定」に基づき、「特許法」が引用されている「特許法実施細則」の条文番号について相応の修正をし、かつ、一部の条項の順序及び文言について調整及び修正をした。
第1条 「特許法」に基づき、この細則を制定する。
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