【ミニコラム 第129号】コンサートと「アカスリ」体験 ― 天津での二つの時間

国慶節の連休に、天津まで周深(ジョウ・シェン/チャーリー・ジョウ)のコンサートを観に行ってきました。周深は中国を代表する実力派シンガーで、透き通るような高音と繊細な歌声で知られています。とくに映画『紅き大魚の伝説(大魚海棠)』の主題歌「大魚」で一躍注目を集め、アニメや映画の主題歌も多く手がけるなど、幅広い世代から愛される人気アーティストです。アニメ主題歌を歌っていることもあり、会場には小学生くらいのファンが想像以上に多く、まずその多さに驚きました。
子供の分しかチケットがとれなかった保護者も多く、せめて子どもだけでも入場させたいという親の思いに配慮し、運営は保護者専用の待機エリアを設置。保護者が同意書に署名すると、子どもたちはボランティアに引率されて入場していきました。一方で、ご高齢のファンも少なくありません。両親のためにチケットを用意し、自分は保護者待機エリアで見送る――そんな姿も目にしました。
ただ、コンサートは国慶節の大型連休と重なり、移動手段の確保がひと苦労でした。そのため、周深のコンサートに合わせて天津から北京・上海を結ぶ片道の「ファン専用新幹線」まで運行されたそうです。私は事前のリサーチが足りず、乗りそびれたのが大変心残りです。
肝心のコンサートは期待以上の熱気で、周深の生歌の力強さと美しさに圧倒されました。天気予報は雨でしたが、当日の午後は思いがけず晴れ、中秋の夜空には満月かかっていました。音楽と月明かりに包まれた3時間は、まさに至福のひとときとなりました。
天津への往復は夜行列車の寝台を利用しましたが、天津に着いて最初に向かったのは浴場。せっかく北方に来たのだからと、名物の「搓澡(アカスリ)」を体験してみました。日本の方にはあまり馴染みがないかもしれませんが、なかなかユニークな文化体験になりました。
三石





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