「民事訴訟法」の適用に関する最高人民法院の解釈
2015年1月30日最高人民法院法釈[2015]5号により公布、同年2月4日施行
2020年12月29日最高人民法院法釈[2020]20号により改正、2021年1月1日施行
2022年4月1日最高人民法院法釈[2022]11号により改正、同月10日施行
(中国語「情报」、「信息」は、いずれも「情報」と訳し、「情报」に対応する訳語には、「情報(qingbao)」と表示しています。)
法釈[2022]11号
一、第9条を次のように改める「尊属扶養費、扶養費又は卑属扶養費の請求にかかる事件の複数の被告の住所地が同一の管轄区にない場合には、原告の住所地の人民法院が管轄することができる。」。
二、第45条を次のように改める「ある裁判手続において当該事件の裁判業務に参与したことのある裁判要員は、当該事件のその他の手続にかかる裁判に再び参与してはならない。
「差し戻して再審理させる事件について、一審法院が裁判を下した後にまた第二審手続に入る場合には、原第二審手続における裁判要員は、前項所定の制限を受けない。」。
三、第48条を次のように改める「民事訴訟法第47条にいう裁判要員には、当該事件の審理に参与する人民法院の院長、副院長、裁判委員会の委員、廷長、副廷長、裁判官及び人民陪審員を含む。」。
四、第61条を次のように改める「当事者の間における紛争について、人民調停委員会又は法により設立されたその他の調停組織による調停を経て合意を達成した後に、一方の当事者が調停合意を履行せず、他の一方の当事者が人民法院に対し訴えを提起した場合には、相手方当事者を被告としなければならない。」。
五、第218条を次のように改める「尊属扶養費、扶養費又は卑属扶養費にかかる事件について、裁判が法的効力を生じた後、新たな状況又は新たな理由により、一方の当事者が再度訴えを提起して費用の増加又は減少を要求した場合には、人民法院は、新たな事件として受理しなければならない。」。
六、第258条を次のように改める「簡易手続を適用して審理する事件について、審理期間の期限が到来した後に、特段の状況があり延長する必要のある場合には、当該法院の院長の承認を経て、審理期間を延長することができる。延長後の審理期間は、累計で4か月を超えてはならない。
「人民法院は、事件が簡易手続を適用するのに適さず、普通手続に転換して審理する必要があることを発見した場合には、審理期間が満了する前に裁定を下し、かつ、裁判要員及び関連事項を書面により当事者双方に通知しなければならない。
「事件につき普通手続に転換して審理する場合には、審理期間は、人民法院が立件した日から計算する。」。
七、第261条を次のように改める「簡易手続を適用して審理する事件について、人民法院は、民事訴訟法第90条及び第162条の規定により人伝て、電話、ショートメッセージ、ファクシミリ、電子メール等の簡便な方式を採用して当事者双方を呼び出し、証人に通知し、及び訴訟文書を送達することができる。
「簡便な方式により送達する開廷通知について、当事者の確認を経ておらず、又は当事者が既に受領した旨を証明するその他の証拠を有しない場合には、人民法院は、欠席判決を下してはならない。
「簡易手続を適用して審理する事件については、裁判官が独任で裁判し、書記官が記録を担任する。」。
八、第269条を次のように改める「当事者が事件に簡易手続を適用することについて異議を申し立てた場合において、人民法院は、審査を経て、異議が成立するときは、普通手続に転換する旨を裁定する。異議が成立しないときは、却下する旨を裁定する。裁定につき口頭の方式によりこれを行う場合には、記録に記入しなければならない。
「普通手続に転換する場合には、人民法院は、裁判要員及び関連事項を書面により当事者双方に通知しなければならない。
「普通手続に転換する前に、当事者双方が既に確認している事実については、挙証又は証拠質疑をしないことができる。」。
九、第273条を次のように改める「海事法院は、小額訴訟の手続を適用して海事及び海商事件を審理することができる。事件の目的額については、実際に事件を受理した海事法院又はその派出法廷の所在する省、自治区若しくは直轄市の前年度の就業人員の年平均賃金を基数として計算しなければならない。」。
十、第274条及び第275条を削除する。
十一、第281条を第279条に改め、次のように改める「当事者は、小額訴訟事件として審理することに対し異議のある場合には、開廷前に提出しなければならない。人民法院は、審査を経て、異議が成立する場合には、簡易手続のその他の規定を適用して審理し、又は普通手続への転換を裁定する。異議が成立しない場合には、棄却する旨を裁定する。裁定につき口頭の方式によりこれを行う場合には、記録に記入しなければならない。」。
十二、第349条を第347条に改め、次のように改める「訴訟において、当事者の利害関係人又は関係組織が、当該当事者が自己の行為を弁識することができず、又は完全には弁識することができない旨を提出し、当該当事者につき民事行為無能力又は制限民事行為能力を宣告するよう要求する場合には、利害関係人又は関係組織が人民法院に対し申立てを提出し、受訴人民法院が特別手続に従い立件して審理しなければならず、原訴訟は、これを中止する。」。
十三、第353条を第351条に改め、次のように改める「調停合意の司法確認を申し立てる場合には、当事者双方は、本人又は民事訴訟法第61条の規定に適合する代理人が民事訴訟法第201条の規定により申立てを提出しなければならない。」。
十四、第354条を第352条に改め、次のように改める「調停組織が自ら展開する調停に、2つ以上の調停組織が参与している場合には、民事訴訟法第201条の規定に適合する各調停組織所在地の人民法院は、いずれも管轄権を有する。
「当事者双方は、民事訴訟法第201条の規定に適合する、その内1つの管轄権を有する人民法院に対し共同して申立てを提出することができる。当事者双方が、管轄権を有する2つ以上の人民法院に対し共同して申立てを提出した場合には、最初に立件した人民法院が管轄する。」。
十五、条文中に引用される民事訴訟法の関連条文番号について、改正後の民事訴訟法に基づき相応する調整をする。
十六、条文の順序について相応する調整をする。
この決定は、2022年4月10日から施行する。
この決定に基づき、「『民事訴訟法』の適用に関する最高人民法院の解釈」は、相応する改正をした後に改めてこれを公布する。
一、管轄
第1条 民事訴訟法第19条第(一)号所定の「重大な渉外事件」には、紛争目的額が大きい事件若しくは事案が複雑である事件、又は一方の当事者の人数が多い等の重大な影響を有する事件を含む。