技術契約紛争事件を審理する際の法律適用にかかる若干の問題に関する最高人民法院の解釈(2020年)
2004年12月16日最高人民法院法釈[2004]20号により公布、2005年1月1日施行
2020年12月29日最高人民法院法釈[2020]19号により公布、2021年1月1日施行
法釈[2020]19号
十七、「技術契約紛争事件を審理する際の法律適用にかかる若干の問題に関する最高人民法院の解釈」を改める。
1.序文を次のように改める。
「技術契約紛争事件を正しく審理するため、『民法典』、『特許法』及び『民事訴訟法』等の法律の関係規定に基づき、裁判の実践を考え合わせ、ここに、関係する問題について次のように解釈する。」
2.第1条を次のように改める。
「『技術成果』とは、科学技術の知識、情報及び経験を利用してなされる、製品、プロセス、材料及びそれらの改良等にかかわる技術方案をいい、これには、特許、特許出願、ノウハウ、コンピュータソフトウェア、集積回路配置設計、植物新品種等を含む。
『ノウハウ』とは、公衆が知悉するところとなっておらず、商業的価値を有し、かつ、権利者が相応する秘密保持措置を講ずることを経た技術情報をいう。」
3.第2条を次のように改める。
「民法典第847条第2項にいう『法人若しくは非法人組織の業務上の任務を執行』には、次を含む。
(一)法人又は非法人組織の職位職責を履行し、又はそれが付託するその他の技術開発任務を引き受けること。
(二)離職後1年内においてその者が従前に所在していた法人又は非法人組織の職位職責又は付託された任務と関係する技術開発業務に継続して従事すること。ただし、法律又は行政法規に別段の定めのある場合を除く。
従業員が在職期間において、又は離職した以後において完成した技術成果の権益について法人又は非法人組織とその従業員とに約定のある場合には、人民法院は、約定により確認しなければならない。」
4.第3条を次のように改める。
「民法典第847条第2項にいう『物質的技術条件』には、資金、設備、器材、原材料、未公開の技術情報及び資料等を含む。」
5.第4条を次のように改める。
「民法典第847条第2項にいう『主として法人若しくは非法人組織の物質的技術条件を利用』には、従業員が技術成果の研究開発過程において、法人又は非法人組織の資金、設備、器材又は原材料等の物質的条件の全部又は大部分を利用しており、かつ、当該物質的条件が当該技術成果の形成に対し実質的影響を有することを含み、更に、当該技術成果の実質的内容が法人又は非法人組織のなお公開していない技術成果又は段階的技術成果を基礎として完成したという事由を含む。ただし、次に掲げる状況を除く。
(一)法人又は非法人組織の提供する物質的技術条件を利用することについて、資金の返還又は使用料の支払いを約定しているとき。
(二)技術成果が完成した後に法人又は非法人組織の物質的技術条件を利用して技術方案について検証又は測定試験をするとき。」
6.第5条を次のように改める。
「個人が完成させた技術成果が、従前に所在していた法人又は非法人組織の業務上の任務を執行し、かつ、現在所在している法人又は非法人組織の物質的技術条件を主として利用したものに該当する場合には、当該自然人が従前に所在していた、及び現在所在している法人又は非法人組織が達成した合意に従い権益を確認しなければならない。合意を達成することのできないときは、当該技術成果の完成に対する貢献の大小に基づき双方が合理的に分有する。」
7.第6条を次のように改める。
「民法典第847条にいう『職務技術成果の完成者』及び第848条にいう『技術成果を完成させた個人』には、技術成果について単独で、又は共同で創造的貢献をした者、すなわち、技術成果の発明者又は考案者を含む。人民法院は、創造的貢献について認定をする際に、かかわる技術成果の実質的な技術構成を分析・解釈しなければならない。実質的な技術構成を提出し、かつ、これにより技術方案を実現した者は、創造的貢献をした者である。
資金、設備、材料及び試験条件を提供し、組織管理をし、図面の作成、資料の整理、文献の翻訳等に協力した人員は、職務技術成果の完成者及び技術成果を完成させた個人に該当しない。」
8.第7条を次のように改める。
「民事主体資格を有しない科学研究組織が締結した技術契約は、法人又は非法人組織の授権又は承認を経た場合には、法人又は非法人組織が締結した契約であるとみなし、法人又は非法人組織が責任を負う。法人又は非法人組織の授権又は承認を経ていない場合には、当該科学研究組織の成員が共同で責任を負う。ただし、法人又は非法人組織が当該契約により利益を受ける場合には、その受益範囲内において相応する責任を負わなければならない。
前項にいう『民事主体資格を有しない科学研究組織』には、法人又は非法人組織が設立した、技術の研究開発、譲渡等の活動に従事する課題グループ、業務室等を含む。」
9.第9条を次のように改める。
「当事者の一方が欺罔手段を講じ、その既存の技術成果を研究開発の目的とすることについて他人と開発委託契約を締結して研究開発費用を収受し、又は同一の研究開発課題について相前後して2名以上の委託者とそれぞれ開発委託契約を締結して研究開発費用を重複して収受し、相手方に真実の意思に背いた状況下で契約を締結させた場合において、損害を受けた当事者が民法典第148条の規定により契約の取消しを請求したときは、人民法院は、これを支持しなければならない。」
10.第10条を次のように改める。
「次に掲げる事由は、民法典第850条にいう『不法に技術を独占』に該当する。
(一)当事者の一方が契約目的技術を基礎として新たな研究開発をするのを制限し、若しくは当該当事者が改良された技術を使用するのを制限し、又は双方が改良技術を交換する条件が対等でないとき。これには、当事者の一方に対し、当該当事者が自ら改良した技術を無償で相手方に提供し、若しくは非互恵的に相手方に譲渡するよう要求し、又は当該改良技術の知的財産権を無償で独占し、若しくは共有することを含む。
(二)当事者の一方が他の源泉から、技術提供当事者と類似する技術又は当該技術提供当事者と競合する技術を取得するのを制限するとき。
(三)当事者の一方が市場の需要に基づき合理的方式に従い契約目的技術を十分に実施することを妨害したとき。これには、技術受領当事者の契約目的技術実施による製品の生産又はサービスの提供にかかる数量、品目、価格、販売ルート及び輸出市場を明らかに不合理に制限することを含む。
(四)技術を実施するのに不可欠でない付帯条件を受け入れるよう技術受領当事者に要求するとき。これには、必要でない技術、原材料、製品、設備及びサービスの購入並びに必要でない人員の受入れ等を含む。
(五)技術受領当事者が原材料、部品、製品又は設備等を購入するルート又は源泉を不合理に制限したとき。
(六)技術受領当事者が契約目的技術の知的財産権の有効性に対し異議を提出することを禁止し、又は異議の提出について条件を付加したとき。」
11.第11条を次のように改める。
「技術契約が無効であり、又は取り消された後において、技術開発契約の研究開発者、技術譲渡契約の譲渡人、技術許諾契約の許諾者又は技術コンサルティング契約及び技術サービス契約の受託者が約定される義務を既に履行し、又は一部履行しており、かつ、契約の無効又は取消しをもたらした故意・過失が相手方にある場合には、それらの者の履行済みの部分につき収受するべき研究開発経費、技術使用料又はコンサルティングサービスの提供にかかる報酬について、人民法院は、相手方の原因によりもたらされた契約の無効又は取消しがそれらの者に及ぼした損害であると認定することができる。
技術契約が無効であり、又は取り消された後において、契約の履行により完成した新たな技術成果又は他人の技術成果を基礎として完成した後続改良技術成果の権利帰属及び利益の分有について、当事者が新たに合意して確定することのできないときは、人民法院は、技術成果を完成した一方の当事者が享有する旨を判決することができる。」
12.第12条を次のように改める。
「民法典第850条の規定に基づき、他人のノウハウを侵害する技術契約が無効であると確認された後は、法律又は行政法規に別段の定めのある場合を除き、当該ノウハウを善意により取得した一方の当事者は、当該当事者が取得した時の範囲内において当該ノウハウを継続して使用することできる。ただし、権利者に対し合理的な使用料を支払い、かつ、秘密保持義務を負わなければならない。
当事者双方が悪意により通謀し、又は一方が相手方による権利の侵害を知り、若しくは知るべきであるのに、なお当該相手方と契約を締結し、又は履行した場合には、共同権利侵害に該当し、人民法院は、連帯賠償責任及び秘密保持義務を負うよう権利侵害者に判決により命じなければならない。これによりノウハウを取得した当事者は、当該ノウハウを継続して使用してはならない。」
13.第13条を次のように改める。
「前条第1項の規定によりノウハウを継続して使用することのできる者と権利者とに使用料の支払いについて紛争が発生した場合には、当事者のいずれの一方も、人民法院に処理をするよう請求することができる。ノウハウを継続して使用するけれども使用料の支払いを拒絶する場合には、人民法院は、権利者の請求に基づき、使用を停止するよう使用者に判決により命ずることができる。
人民法院は、使用料を確定する際に、権利者が通常、当該ノウハウを対外的に許諾する際の使用料又は使用者が当該ノウハウを取得するのに支払う使用料に基づき、かつ、当該ノウハウの研究開発原価、成果の転化及び応用の程度並びに使用者の使用規模、経済的効果・利益等の要素を考慮して、合理的に確定することができる。
使用者がノウハウを継続して使用するか否かを問わず、人民法院は、使用済期間の使用料を権利者に対し支払うよう当該使用者に判決により命じなければならない。使用者が無効な契約の譲渡人又は許諾者に対し既に支払った使用料については、譲渡人又は許諾者が返還に責任を負わなければならない。」
14.第14条を次のように改める。
「技術契約の代金、報酬及び使用料について、当事者が約定せず、又は約定が明確でない場合には、人民法院は、次の原則に従い処理することができる。
(一)技術開発契約、技術譲渡契約及び技術許諾契約については、関係する技術成果の研究開発原価、先進性、転化及び応用の実施の程度、当事者が享有する権益及び負う責任、並びに技術成果の経済的効果・利益等に基づき合理的に確定する。
(二)技術コンサルティング契約及び技術サービス契約については、関係するコンサルティングサービス業務の技術含有量、質及び数量並びに既に生じ、及び生ずると予想される経済的効果・利益等に基づき合理的に確定する。
技術契約の代金、報酬及び使用料に非技術的性質の金額が含まれている場合には、項目を分けて計算しなければならない。」
15.第15条を次のように改める。
「技術契約の当事者の一方が主たる債務の履行を遅延し、催告を経た後30日内になお履行しない場合において、他の一方が民法典第563条第1項第(三)号の規定により契約の解除を主張したときは、人民法院は、これを支持しなければならない。
当事者が催告通知において履行期間を付し、かつ、当該期間が30日を超える場合には、人民法院は、当該履行期間が民法典第563条第1項第(三)号所定の合理的期間であると認定しなければならない。」
16.第17条を次のように改める。
「民法典第851条第1項にいう『新技術、新製品、新プロセス、新品種又は新材料及びそのシステム』には、当事者が技術契約を締結した時になお掌握していない製品、プロセス及び材料並びにそれらのシステム等の技術方案を含む。ただし、技術上新規創造のない既存製品についての型式変更、プロセスの変更、材料配合の調整、並びに技術成果に対する検証、測定試験及び使用を除く。」
17.第18条を次のように改める。
「民法典第851条第4項所定の『当事者間において実用価値を有する科学技術成果の実用化の実施について締結する』技術転化契約とは、当事者間において、実用的価値を有するけれどもなお工業化の応用を実現していない、段階的技術成果を含む科学技術成果について、当該科学技術成果の工業化の応用の実現を目標とし、後続試験、開発及び応用等の内容を約定する契約をいう。」
18.第19条を次のように改める。
「民法典第855条にいう『研究開発業務に分担して参与』には、当事者が約定された計画及び分担に従い、共同で、又はそれぞれ設計、プロセス、試験、試作等の業務を引き受けることを含む。
技術開発契約の当事者の一方が資金、設備、材料等の物質的条件を提供し、又は補助的協力事項を引き受けるのみで、他の一方が研究開発業務をする場合には、開発委託契約に該当する。」
19.第20条を次のように改める。
「民法典第861条にいう『当事者は、いずれも使用し、及び譲渡する権利を有する』には、当事者がいずれも、相手方の同意を経ないでノウハウを自ら使用し、又は普通使用許諾の方式により他人によるノウハウの使用を許諾し、かつ、これにより取得する利益を独占する権利を有することを含む。当事者の一方がノウハウの成果の譲渡権を他人に譲渡し、又は独占的若しくは排他的な使用許諾の方式により他人によるノウハウの使用を許諾する場合において、相手方当事者の同意又は追認を経ていないときは、当該譲渡又は許諾行為は無効であると認定しなければならない。」
20.第21条を次のように改める。
「技術開発契約の当事者が民法典の規定により、又は約定により自ら特許を実施し、又はノウハウを使用するけれども、当該当事者が独立して特許を実施し、又はノウハウを使用する条件を具備していないことに起因して、1つの普通許諾方式により他人の実施又は使用を許諾するときは、これを許可することができる。」
21.「三、技術譲渡契約」を次のように改める。
「三、技術譲渡契約及び技術許諾契約」
22.第22条を次のように改める。
「なお研究開発が待たれる技術成果又は特許、特許出願若しくはノウハウにかかわらない知識、技術、経験及び情報について締結する契約は、民法典第862条所定の技術譲渡契約又は技術許諾契約に該当しない。
技術譲渡契約における、譲渡人が譲受人に対し技術の実施にかかる専用設備若しくは原材料を提供し、又は関係する技術コンサルティング若しくは技術サービスを提供することに関する約定は、技術譲渡契約の構成部分に該当する。これにより生ずる紛争については、技術譲渡契約に従い処理する。
当事者が技術による出資の方式により連合経営契約を締結するけれども、技術出資者が連合経営体の経営管理に参与せず、かつ、最低保証条項の形式により、連合経営体又は連合経営の相手方がその技術の代金又は使用料を支払う旨を約定する場合には、技術譲渡契約又は技術許諾契約とみなす。」
23.第23条を次のように改める。
「特許出願権譲渡契約の当事者が、特許出願が拒絶され、又は取り下げられたものとみなされたことを理由として契約の解除を請求する場合において、当該事実が特許法第10条第3項の規定により特許出願権譲渡登記手続をする前に発生したときは、人民法院は、これを支持しなければならない。譲渡登記の後に発生したときは、これを支持しない。ただし、当事者に別段の約定のある場合を除く。
特許出願が、特許出願権譲渡契約成立時に存在するけれどもなお公開されていない同様の発明創造にかかる特許の先願に起因して拒絶され、当事者が民法典第563条第1項第(四)号の規定により契約の解除を請求する場合には、人民法院は、これを支持しなければならない。」
24.第25条を次のように改める。
「特許実施許諾には、次の方式を含む。
(一)『独占的実施許諾』とは、許諾者が特許実施許諾を約定した範囲内において、当該特許について1名の被許諾者による実施のみを許諾し、許諾者は約定により当該特許を実施してはならないことをいう。
(二)『排他的実施許諾』とは、許諾者が特許実施許諾を約定した範囲内において、当該特許について1名の被許諾者による実施のみを許諾するけれども、許諾者は約定により自ら当該特許を実施することができることをいう。
(三)『普通実施許諾』とは、許諾者が特許実施許諾を約定した範囲内において、他人による当該特許の実施を許諾し、かつ、自ら当該特許を実施することができることをいう。
当事者が特許実施許諾方式について約定せず、又は約定が明確でない場合には、普通実施許諾であると認定する。特許実施許諾契約において、被許諾者が他人による特許の実施を再許諾することができる旨を約定する場合には、当該再許諾は、これを普通実施許諾であると認定する。ただし、当事者に別段の約定のある場合を除く。
ノウハウの使用許諾方式については、前二項の規定を参照して確定する。」
25.第26条を次のように改める。
「特許実施許諾契約の許諾者は、契約の有効期間内において特許権の有効性を維持する義務を負う。これには、法により年度特許料を納付し、及び他人による特許権の無効宣告にかかる請求の提出に積極的に対応することを含む。ただし、当事者に別段の約定のある場合を除く。」
26.第27条を次のように改める。
「排他的実施許諾契約の許諾者がその特許を独立して実施する条件を具備せず、1つの普通許諾の方式により他人による特許の実施を許諾する場合には、人民法院は、許諾者が自ら特許を実施すると認定することができる。ただし、当事者に別段の約定のある場合を除く。」
27.第28条を次のように改める。
「民法典第864条にいう『特許を実施し、又はノウハウを使用する範囲』には、特許を実施し、又はノウハウを使用する期間、地域方式及びノウハウに接触する人員等を含む。
特許を実施し、又はノウハウを使用する期間について当事者が約定せず、又は約定が明確でない場合には、譲受人及び被許諾者による特許の実施又はノウハウの使用は、期間の制限を受けない。」
28.第29条を次のように改める。
「当事者間において特許出願にかかる技術成果について締結する使用許諾契約には、特許出願が公開される前においては、ノウハウ許諾契約の関係規定を適用する。発明特許出願が公開された以後で権利が付与される前においては、特許実施許諾契約の関係規定を参照して適用する。権利が付与された以後においては、原契約は、これを特許実施許諾契約とし、特許実施許諾契約の関係規定を適用する。
人民法院は、既に特許を出願しているけれども権利が付与されていない技術について当事者が特許実施許諾契約を締結したことを理由として、契約が無効であると認定することはしない。
29.第30条を次のように改める。
「民法典第878条第1項にいう『特定の技術プロジェクト』には、科学技術と経済社会との調和的発展に関するソフト科学研究プロジェクト、並びに科学技術の進歩及び管理の現代化を促進し、経済的効果・利益及び社会的効果・利益を向上させる等の科学的知識及び技術的手段を運用して調査、分析、論証、評価及び予測をする専門的な技術プロジェクトを含む。」
30.第31条第1項及び第35条第1項を削除する。
31.第33条を次のように改める。
「民法典第878条第2項にいう『特定の技術問題』には、専門技術知識、経験及び情報を運用して解決する必要のある、製品構造の改良、プロセスフローの改良、製品品質の向上、製品原価の引下げ、資源・エネルギー消費の節約、資源・環境の保護、安全操作の実現、経済的効果・利益及び社会的効果・利益の向上等に関係する専門技術問題を含む。」
32.第34条を次のように改める。
「当事者の一方が技術譲渡若しくは技術許諾の名により、既にパブリックドメインになっている技術を提供し、又は技術譲渡契約若しくは技術許諾契約の履行の過程において契約目的技術がパブリックドメインになったけれども、技術提供当事者が技術指導をし、又は技術知識を伝授し、相手方のため特定の技術問題を解決することが約定の条件に適合する場合には、技術サービス契約に従い処理し、約定された技術譲渡料及び使用料については技術サービスの提供にかかる報酬及び費用とみなすことができる。ただし、法律又は行政法規に別段の定めのある場合を除く。
前項の規定により、技術譲渡料又は使用料につき技術サービスの提供にかかる報酬及び費用とみなすことが明らかに不合理である場合には、人民法院は、当事者の請求に基づき合理的に確定することができる。」
33.第36条を次のように改める。
「民法典第887条所定の『技術研修契約』とは、当事者の一方が他の一方に委託して、指定した訓練生に対し特定項目の専門技術訓練及び技術指導をさせるのに締結する契約をいい、これには、職業研修、文化学習、及び業種、法人又は非法人組織の計画に従い行う従業員の業務外の教育を含まない。」
34.第38条を次のように改める。
「民法典第887条所定の『技術仲介契約』とは、当事者の一方が知識、技術、経験及び情報により、他の一方と第三者との技術契約締結のため連絡又は紹介をし、及び契約の履行について専門的サービスを提供するのに締結する契約をいう。」
35.第42条を次のように改める。
「当事者が技術契約及び他の契約の内容又は異なる類型の技術契約の内容を1つの契約において締結する場合には、当事者の争いにかかる権利義務の内容に基づき、事件の性質及び縁由を確定しなければならない。
技術契約の名称と約定された権利義務関係とが一致しない場合には、約定された権利義務内容に従い、契約の類型及び縁由を確定しなければならない。
技術譲渡契約又は技術許諾契約において、譲受人若しくは被許諾者が契約目的技術を実施して製造する製品の請負販売又は買戻しに譲渡人又は許諾者が責任を負う旨が約定され、譲渡人又は許諾者が請負販売又は買戻義務を履行せず、又は全部については履行することができないことのみにより紛争が引き起こされた場合において、技術問題にかかわらないときは、請負販売又は買戻条項により約定される権利義務の内容に従い縁由を確定しなければならない。」
36.第45条を次のように改める。
「第三者が、技術契約紛争事件を受理した人民法院に対し、契約目的技術について権利帰属又は権利侵害にかかる請求を提出した場合において、受訴人民法院がこれについても管轄権を有するときは、権利帰属又は権利侵害紛争と契約紛争とを併合して審理することができる。受訴人民法院は、これについて管轄権を有しないときは、管轄権を有する人民法院に対し別途訴えを提起するよう当該第三者に告知し、又は管轄権を有する人民法院に既に受理した権利帰属若しくは権利侵害紛争事件を移送しなければならない。権利帰属又は権利侵害紛争につき別事件として受理した後、契約紛争については、訴訟を中止しなければならない。
特許実施許諾契約の訴訟において、被許諾者又は第三者が国家知的財産権局に対し特許権の無効宣告を請求する場合でも、人民法院は、訴訟を中止しないことができる。事件審理の過程において特許権が無効であると宣告された場合には、特許法第47条第2項及び第3項の規定に従い処理する。」
37.第46条を次のように改める。
「コンピュータソフトウェアの開発等の契約にかかる争いについて、著作権法その他の法律又は行政法規に別段の定めのある場合には、当該定めによる。定めのない場合には、民法典第3編第1部の規定を適用するものとし、かつ、民法典第3編第2部第20章及びこの解釈の関係規定を参照して処理することができる。」
技術契約紛争事件を正しく審理するため、「民法典」、「特許法」及び「民事訴訟法」等の法律の関係規定に基づき、裁判の実践を考え合わせ、ここに、関係する問題について次のように解釈する。
第1条 「技術成果」とは、科学技術の知識、情報及び経験を利用してなされる、製品、プロセス、材料及びそれらの改良等にかかわる技術方案をいい、これには、特許、特許出願、ノウハウ、コンピュータソフトウェア、集積回路...
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