「会社法」の適用に係る若干の問題に関する最高人民法院の規定(三)(2020年)
2011年1月27日最高人民法院法釈[2011]3号により発布、同年2月16日施行
2014年2月20日最高人民法院法釈[2014]2号により改正発布、同年3月1日施行
2020年12月29日最高人民法院法釈[2020]18号により改正公布、2021年1月1日施行
法釈[2020]18号
六、「『会社法』の適用にかかる若干の問題に関する最高人民法院の規定(三)」を改正する。
1. 第2条を次のように改める。
「発起人が会社設立のため自己の名により対外的に契約を締結した場合において、契約相手方が当該発起人に対し契約責任を負うよう請求するときは、人民法院は、これを支持しなければならない。会社成立後に契約相手方が会社に対し契約責任を負うよう請求するときは、人民法院は、これを支持しなければならない。」
2. 第7条を次のように改める。
「出資者が処分権を享有しない財産により出資し、当事者の間で出資行為の効力について紛争が生じた場合には、人民法院は、民法典第311条の規定を参照して認定をすることができる。
横領、収賄、侵奪、流用等の違法犯罪により取得した貨幣により出資した後に出資持分を取得した場合には、違法犯罪行為について追及及び処罰をする際に、競売又は換価の方式を採用して当該出資持分を処分しなければならない。」
3. 第24条を次のように改める。
「有限責任会社の実際の出資者と名義上の出資者とが契約を締結して、実際の出資者が出資し、かつ、投資にかかる権益を享有し、名義上の出資者を名義上の株主とすることを約定し、実際の出資者と名義上の株主とに当該契約の効力について紛争が生じた場合において、法律所定の無効事由がないときは、人民法院は、当該契約が効力を有する旨を認定しなければならない。
前項所定の実際の出資者と名義上の株主とに投資にかかる権益の帰属に起因して紛争が生じた場合において、実際の出資者が自らが実際に出資義務を履行したことを理由として名義上の株主に対し権利を主張するときは、人民法院は、これを支持しなければならない。名義上の株主が会社の株主名簿の記載又は会社登記機関の登記を理由として実際の出資者の権利を否認するときは、人民法院は、これを支持しない。
実際の出資者が会社の他の株主の半数以上の同意を経ないで、会社に対し株主を変更し、出資証明書を発行し、株主名簿に記載し、会社定款に記載し、かつ、会社登記機関にかかる登記手続をするよう請求する場合には、人民法院は、これを支持しない。」
4. 第25条を次のように改める。
「名義上の株主がその名のもとに登記された出資持分を譲渡し、質入れし、又はその他の方式により処分した場合において、実際の出資者が自らが出資持分に対し実際の権利を享有することを理由として、出資持分処分行為が効力を有しない旨を認定するよう請求するときは、人民法院は、民法典第311条の規定を参照して処理することができる。
名義上の株主が出資持分を処分したことにより実際の出資者に損失がもたらされ、実際の出資者が名義上の株主に対し賠償責任を負うよう請求する場合には、人民法院は、これを支持しなければならない。」
5. 第27条を次のように改める。
「出資持分の譲渡後に会社登記機関に対し変更登記手続をしておらず、原株主がなおその名のもとに登記されている出資持分を譲渡し、質入れし、又はその他の方式により処分した場合において、譲受株主が自らが出資持分について実際の権利を享有することを理由として、出資持分処分行為が効力を有しない旨を認定するよう請求するときは、人民法院は、民法典第311条の規定を参照して処理することができる。
原株主が出資持分を処分したことにより譲受株主に損失がもたらされ、譲受株主が原株主に対し賠償責任を負うよう、及び遅滞なく変更登記手続をしなかったことにつき故意・過失のある董事、高級管理人員又は実際の支配者に対し相応する責任を負うよう請求する場合には、人民法院は、これを支持しなければならない。譲受株主にも遅滞なく変更登記手続がされていないことについて故意・過失がある場合には、上記董事、高級管理人員又は実際の支配者の責任を適当に軽減することができる。」
「会社法」を正確に適用するため、裁判実践を考慮し、人民法院が会社設立、出資、出資持分確認等の紛争事件を審理する際の法律の適用にかかる問題について次のような規定をする。
第1条 会社設立のため会社定款に署名し、及び会社に対し出資又は株式を引き受け、かつ、会社設立にかかる職責を履行する者は、これを会社の発起人と認定しなければならず、これには有限責任会社設立の際の株主を含む。