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【公布日】1987.10.19

【公布機関】最高人民法院

日本語訳文

「渉外経済契約法」の適用についての若干の問題に関する最高人民法院の回答(廃止)

この通知は、2000年7月25日に既に廃止されている。

  1.渉外経済契約法の適用範囲の問題について
  (1) 渉外経済契約法の適用範囲は、わが国の企業その他の経済組織が外国の企業その他の経済組織又は個人との間に締結する経済契約とし、貨物売買契約、合資経営企業契約、合作経営企業契約、天然資源合作探査開発契約、金銭消費貸借契約、リース契約、技術移転契約、工事請負契約、プラント設備供給契約、加工請負契約、役務契約、補償貿易契約、科学技術コンサルティング又は設計契約、担保契約、保険契約、倉庫保管契約、委託代理契約等を含む。ただし、国際海上運送契約、国際航空運送契約、国際鉄道運送契約及び国際相次運送契約を除く。
  (2) 渉外経済契約法は、香港・マカオ地区の企業その他の経済組織又は個人が中国国内の企業その他の経済組織との間で締結する上記の経済契約及び外国企業その他の経済組織又は個人が相互の間で、香港・マカオ地区の企業、その他の経済組織又は個人が相互の間で、外国企業その他の経済組織又は個人が香港・マカオ地区の企業、その他の経済組織又は個人との間で、中国国内において締結し、又は履行する上記の経済契約にも適用することができる。
  (3) 中国国内で成立した中外合資経営企業、中外合作経営企業及び外資企業が相互の間で、並びにそれらのものがわが国のその他の企業、経済組織又は個人との間で締結する経済契約には、渉外経済契約法を適用せず、「中華人民共和国経済契約法」を適用しなければならない。

  2.渉外経済契約の紛争を処理する場合の法律の適用の問題について
  (1) 渉外経済契約法第5条にいう「契約紛争」は、広義に理解しなければならない。当事者双方の間で、契約の成立の有無、契約成立の時、契約内容の解釈、契約の履行、違約の責任及び契約の変更、中止、譲渡、解除、終了等について生じる紛争は、すべて「契約紛争」に含むものとする。
  (2) 当事者が契約を締結する時に、又は紛争が発生した後に契約に適用する法律を既に選択している場合において、当該契約の紛争事件を審理するときは、人民法院は、当事者が選択した法律によらなければならない。当事者が選択する法律は、中国法とすることができる。香港・マカオ地区の法律又は外国法とすることもできる。ただし、当事者の選択は、必ず当事者双方の協議による合意を経、かつ、明示されたものでなければならない。
  (3) 中国国内において履行される中外合資経営企業契約、中外合作企業契約及び中外合作天然資源探査開発契約については、必ず中国の法律を適用しなければならない。当事者が協議により外国の法律の適用を選択した契約の条項は、無効とする。
  (4) 当事者が契約を締結した時に、又は紛争が発生した後に契約に適用する法律を選択していない場合には、人民法院は、事件を受理した後、開廷審理するまでに当事者が選択することを許可しなければならない。当事者の協議によっても選択につき合意することができない場合には、人民法院は、最密切関係の原則に従って、適用すべき法律を確定しなければならない。
  (5) 当事者が協議により選択し、又は人民法院が最密切関係の原則に従って確定する契約紛争の処理に適用される法律とは、現行の実体法をいい、抵触法及び手続法を含まない。
  (6) 当事者が契約に適用される法律を選択していない場合には、次の各号に掲げる渉外経済契約については、人民法院が、最密切関係の原則に従って、適用すべき法律を確定する。通常の場合には、次のとおりとする。
  ① 国際貨物売買契約については、契約を締結した時における売主の営業所の所在地の法律を適用する。契約が買主の営業所の所在地で交渉され、かつ、締結された場合、契約が主として買主が確定した条件により、かつ、買主が発表した入札募集に応じて締結された場合、又は契約に、売主は買主の営業所の所在地で引渡義務を必ず履行しなければならないと明確に定められている場合には、契約を締結した時における買主の営業所の所在地の法律を適用する。
  ② 銀行の貸付け又は担保の契約については、貸付銀行又は担保銀行の所在地の法律を適用する。
  ③ 保険契約については、保険者の営業所の所在地の法律を適用する。
  ④ 加工請負契約については、加工請負人の営業所の所在地の法律を適用する。
  ⑤ 技術移転契約については、移転を受けるものの営業所の所在地の法律を適用する。
  ⑥ 工事請負契約については、工事の所在地の法律を適用する。
  ⑦ 科学技術コンサルティング又は設計契約については、委託者の営業所の所在地の法律を適用する。
  ⑧ 役務契約については、役務が提供される地の法律を適用する。
  ⑨ プラント設備供給契約については、設備の据付け・運転地の法律を適用する。
  ⑩ 代理契約については、代理人の営業所の所在地の法律を適用する。
  ⑪ 不動産の貸借、売買又は抵当に関する契約については、不動産所在地の法律を適用する。
  ⑫ 動産の貸借契約については、賃貸人の営業所の所在地の法律を適用する。
  ⑬ 倉庫保管契約については、倉庫保管者の営業所の所在地の法律を適用する。
  ただし、契約が明らかに他の国又は地区の法律とより密切な関係を有している場合には、人民法院は、他の国又は地区の法律を契約紛争を処理する際の根据としなければならない。
  (7) 当事者が1以上の営業所を有する場合には、契約と最も密切な関係を有する営業所を規準とする。当事者が営業所を有しない場合には、その住所又は居所を規準とする。
  (8) わが国が締結し、又は参加した関係国際条約に渉外経済契約法又はわが国のその他の渉外経済契約に関係する法律と異なる規定がある場合には、国際条約の規定を適用する。ただし、わが国が留保を声明した条項を除く。
  (9) わが国の法律を適用しなければならない場合において、わが国の法律に契約当事者の紛争問題について、いまだ規定がないときは、国際慣例を適用することができる。
  (10) 適用すべき法律が外国の法律である場合において、適用される外国の法律がわが国の法律の基本原則及びわが国の社会公共の利益に反するときは、適用せず、わが国の相応する法律を適用しなければならない。
  (11) 適用すべき法律が外国の法律である場合において、その内容を確定することができないときには、人民法院は、次の各号に掲げるルートを通じて調査し、明らかにすることができる。
  ① 当事者が提供する。
  ② 当該国に駐在するわが国の大使館、領事館が提供する。
  ③ 当該国の駐中国大使館、領事館が提供する。
  ④ 内外の法律専門家が提供する。
  前各号に掲げるルートを通じても、なお明らかにすることができない場合には、わが国の相応する法律を参照して処理することができる。

  3.無効な渉外経済契約の確認の問題について
  渉外経済契約が次の各号に掲げる事由の1に該当する場合には、無効であると確認しなればならない。
  ① 契約を締結する当事者が適法な主体としての資格を備えていないとき。
  ② 契約を締結するわが国の当事者が国の主管機関の許可による、対外経営権を授与されていないとき。
  ③ 契約を締結するわが国の当事者がその営業範囲を超えて営業するとき。
  ④ 代理権を有しないで、代理権を踰越して、又は代理権が消滅した後に、本人の名義で契約を締結し、本人が追認していないとき。ただし、本人が当該事由を知った後に速やかに追認拒絶の表示をしなかったときを除く。
  ⑤ 契約の締結が書面による要式に従っていないとき。
  ⑥ わが国の法律及び行政法規により国の主管機関が成立につき認可しなければならないと定めらている契約が認可を得ていないとき又はその重大な変更若しくは権利義務の譲渡につき原認可機関の認可を得ていないとき。
  ⑦ 当事者の一方が故意に虚偽を弄し、事実の真相を隠蔽し、若しくはその他の詐欺的手段を用いることにより、相手方に錯誤を生じさせて契約を締結したとき、脅迫的手段により、相手方に経済的損害若しくはその他の損害を強要して契約を締結したとき又は相手方の困難に乗じて、自己の意思に反して不平等な条件で契約を締結させたとき。 
  ⑧ 当事者双方が通謀し、国、集団若しくは第三者の利益を侵害する契約を締結したとき又は適法な形式で不法な目的を隠蔽して契約を締結したとき。
  ⑨ 契約の内容が、わが国の法律の基本原則又はわが国の社会公共の利益に反するとき。

  4.渉外経済契約の取消しに関する問題について
  当事者の一方は、次の各号に掲げる渉外経済契約について、人民法院に取り消すよう請求する権利を有する。
  ① 契約の締結が契約の内容についての重大な錯誤によるとき。
  ② 契約が明らかに公平を欠いているとき。
  取り消された渉外経済契約は、契約を締結した時から法的拘束力を有しない。

  5.渉外経済契約の無効が確認され、又は取り消された後の処理の問題について
  (1) 契約の一部の条項が無効であった場合において、その他の部分の効力に影響を及ぼさないときは、その他の部分は、なお効力を有する。無効な条項は、当事者が協議により合意して削除し、又は修正した後においては、契約の効力に影響を及ぼさない。
  (2) 契約が無効であると確認され、又は取り消された場合において、当事者の一方の故意・過失によりもたらされたものであるときは、故意・過失のある当事者は、他の当事者が契約の無効又は取消しにより被った損害について、賠償する責任を負わなければならない。契約の無効又は取消しについて、当事者双方にともに過失がある場合には、各自が相応の責任を負う。
  (3) 当事者双方が通謀し渉外経済契約の締結に藉口して国の法律に違反し、又は社会公共の利益を侵害する活動を行い、及び国又は第三者の利益を侵害する場合には、契約が無効であると確認するほか、双方が不法に得た財産を追徴して国の所有に帰せしめ、又は第三者に返還しなければならない。この場合において、事案の軽重に応じて、法律の規定により、訓戒、罰金又は拘留等の処罰に付することができる。経済犯罪があることを見い出した場合には、公安、検察機関に送致し取り調べる。

  6.渉外経済契約の違約責任の問題について
  (1) 当事者の一方が契約を履行せず、又は契約上の義務の履行が約定の条件に適合していない場合には、その他の救済措置を取るとき、又は契約に別段の定めがあるときを除き、違約した当事者は、これにより他の当事者が受けた損害を賠償する。損害には、通常、財産の毀損、減少、滅失及び損害を減少させ、又は除去するために支出した費用並びに契約を履行することができた場合には得ることができた利益(国際貨物売買契約においては、利潤をいう。)を含むものとする。ただし、違約した当事者が契約を締結した時に契約違反によりもたらされるおそれがあると予見すべきであった損害を超えてはならない。
  (2) 当事者が契約において約定した違約金は、賠償額の予定である。当事者の一方が契約に違反した場合には、直ちに他の当事者に約定された違約金を支払わなければならない。契約において約定された違約金の一部が、契約違反によりもたらされた損害より多く、又は少ない場合には、人民法院は、当事者の請求に基づき、事情を参酌して妥当な額に減少し、又は増加させることができる。

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