ファイナンスリース契約紛争事件を審理する際の法律適用にかかる問題に関する最高人民法院の解釈(2020年)
法釈[2020]17号
四、「ファイナンスリース契約紛争事件を審理する際の法律適用にかかる問題に関する最高人民法院の解釈」を改める。
1.序文を次のように改める。
「ファイナンスリース契約紛争事件を正確に審理するため、『民法典』、『民事訴訟法』等の法律の規定に基づき、裁判の実践を考え合わせ、この解釈を制定する。」
2.第1部分の表題を次のように改める。
「一、ファイナンスリース契約の認定」
3.第1条を次のように改める。
「人民法院は、民法典第735条の規定に基づき、目的物の性質、価値及びリース料の構成並びに当事者の契約にかかる権利及び義務を考え合わせ、ファイナンスリースの法律関係を構成するか否かについて認定をしなければならない。
名目はファイナンスリース契約であるけれども、実際はファイナンスリースの法律関係を構成しない場合について、人民法院は、それが実際に構成する法律関係に従い処理しなければならない。」
4.第3条、第4条、第6条、第7条、第9条から第11条及び第15条から第18条を削除する。
5.第5条を次のように改める。
「レッシーがリース物件の受領を拒絶し、遅滞なくレッサーに通知せず、又は正当な理由なくしてリース物件の受領を拒絶し、レッサーに損害をもたらした場合において、レッサーがレッシーに対し損害賠償を主張するときは、人民法院は、これを支持しなければならない。」
6.第12条を次のように改める。
「次に掲げる事由の1つがある場合において、レッサーがファイナンスリース契約の解除を請求するときは、人民法院は、これを支持しなければならない。
(一)レッシーが契約に約定した期間及び金額どおりにリース料を支払わず、契約に約定した解除条件に適合し、レッサーによる催告を経た後、合理的な期間内になお支払わないとき。
(二)契約においてリース料未払いの契約解除の事由について明確に約定していないけれども、レッシーによるリース料の未払いが2期以上に達し、又は金額がリース料全部の100分の15以上に達し、レッサーによる催告を経た後、合理的な期間内になお支払われないとき。
(三)レッシーが契約の約定に違反したことにより、契約の目的が実現不能となったその他の事由」
7.第19条を次のように改める。
「リース物件がファイナンスリース契約の約定に適合せず、かつ、レッサーが次に掲げる行為の1つを実施した場合において、レッシーが民法典第744条及び第747条の規定により、レッサーに対し相応する責任を負うよう要求するときは、人民法院は、これを支持しなければならない。
(一)レッシーによるサプライヤー及びリース物件の選択の際に、レッサーがリース物件の選定について決定的な役割を果たしていること。
(二)レッシーがレッサーの意向に従いサプライヤー又はリース物件を選択するように、レッサーが関与し、又は要求すること。
(三)レッシーが既に選定したサプライヤー又はリース物件をレッサーが無断で変更すること。
レッシーは、自らはレッサーの技能に依拠してリース物件を確定し、又はレッサーがリース物件の選択に関与したと主張する場合には、上記事実について挙証責任を負う。」
8.第21条を次のように改める。
「レッサーがレッシーに対し契約に約定する未払いリース料の全部の支払いを請求し、また、ファイナンスリース契約の解除も請求する場合には、人民法院は、当該レッサーに民法典第752条の規定により選択をするよう告知しなければならない。
レッサーがレッシーに対し契約に約定する未払いリース料の全部の支払いを請求し、人民法院の判決後にレッシーがこれを履行しない場合において、レッサーが再度訴えを提起してファイナンスリース契約の解除及びリース物件の回収を請求するときは、人民法院は、これを受理しなければならない。」
9.第22条を次のように改める。
「レッサーが第6条の規定によりファイナンスリース契約の解除を請求し、同時に、リース物件を回収し、かつ、損害を賠償することを請求する場合には、人民法院は、これを支持しなければならない。
前項所定の損害賠償範囲は、レッシーの未払いリース料の全部及び他の費用と回収されるリース物件の価値との差額とする。契約の約定により、リース期間が満了した後にリース物件がレッサーの所有に帰する場合には、損害賠償範囲は、更に、ファイナンスリース契約の期限到来後におけるリース物件の残存価値を含まなければならない。」
10.第25条を次のように改める。
「当事者がファイナンスリース契約のリース料未払いにかかる争いに起因して人民法院に対し自らの権利の保護を請求する訴訟の時効期間は、3年とし、リース期間満了の日から起算する。」
11.条文の順序について相応する調整をする。
ファイナンスリース契約紛争事件を正確に審理するため、「民法典」、「民事訴訟法」等の法律の規定に基づき、裁判の実践を考え合わせ、この解釈を制定する。
一、ファイナンスリース契約の認定
第1条 人民法院は、民法典第735条の規定に基づき、目的物の性質、価値及びリース料の構成並びに当事者の契約にかかる権利及び義務を考え合わせ、ファイナンスリースの法律関係を構成するか否かについて認定を...