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【公布日】1995.12.26

【施行日】1995.12.26

【公布機関】国務院  国発[1995]34号

日本語訳文

輸入に係る税金徴収政策の改革及び調整に関する国務院の通知

各省、自治区及び直轄市の人民政府並びに国務院の各部委員会及び各直属機構に通知する。

  党の11期3中全会以来、対外開放及び国民経済の発展を促進するために、わが国は、一連の輸入に係る税金徴収優遇政策を制定し、対外貿易の拡大、外資の吸収、先進技術の導入に対して重要な役割を発揮した。改革開放の不断なる深化と社会主義市場経済体制の段階的な確立に伴い、これらの政策規定と国際的に通用している規則及び市場経済における公平な競争の原則との間の矛盾が日増しに顕著になってきた。近年来、国務院は、一部の輸入に係る税金減免の規定に対して整理及び調整を行い、輸入関税の全体水準を42パーセントから35.9パーセントに引き下げた。ただし、全体的に見ると、「税率は高いが、減免が多く、納税基数が小さい」といった問題が依然として顕著である。名目が繁多な税金減免は地区間又は企業間の不公平な競争をもたらし、国有企業の経営メカニズムの転換及び地区間における経済協調の発展に不利となる。必ず、輸入に係る税金徴収政策の改革及び調整を加速し、輸入関税の全体水準を更に下げ、過多な又は不平等な輸入に係る税金徴収減免の規定を取り消して、社会主義市場経済体制の要求及び国際的に通用している規則に従い、統一的で、規範化された、公平かつ合理的な輸入に係る税金徴収政策を確立し、更に開放された姿勢で国際競争及び国際経済協力に参与することにより、国民経済の発展を促進しなければならない。ここに、関係問題について次のとおり通知する。

  一、わが国の輸入関税の全体水準を比較的大幅に引き下げる
  わが国の国民経済の発展及び市場の需要に基づき、同時に、中央財政への影響及び国内産業の受入能力を考慮し、産業構造調整及び関税構造の合理化に有利であることを前提として、わが国の輸入関税の全体水準を一般的な発展途上国における平均水準まで段階的に引き下げる。これにより、1996年4月1日から、わが国の輸入関税の全体水準を23パーセントにまで引き下げる。具体的な税の引下げ方案は、国務院の関税税則委員会が提出し、国務院に報告して認可を受けた後に税関総署が対外的に公布し、執行する。

  二、輸入設備及び原材料等に対して、一律に法定税率に従い関税及び輸入環節税を徴収する
  (一)1996年4月1日から、新たに設立認可された外国投資家投資企業(中外合弁経営企業、中外合作経営企業及び外商独資企業を含む)が投資総額内で輸入する設備及び原材料に対しては、一律に法定税率に従い関税及び輸入環節税を徴収する。これより前に既に法により設立認可された外国投資家投資企業については、規定された猶予期間内においては、継続して関税及び輸入環節税減免の優遇を享受することができ、すなわち、投資総額が3000万米ドル(3000万米ドルを含むが、本通知が発布された日より後に追加された投資を含まない)以上のプロジェクトが輸入する設備及び原材料に対しては、1997年12月31日前は、なお原規定に従い執行する。投資総額が3000万米ドル未満のプロジェクトが輸入する設備及び原材料に対しては、1996年12月31日前は、なお原規定に従い執行する。規定された猶予期間内になお執行完了しない場合には、対外貿易経済合作部を通じて申請を提出し、財政部が対外貿易経済合作部、国務院関税税則委員会、国家計画委員会、国家経済貿易委員会、国家税務総局及び税関総署と共にこれを検討して意見を提出し、国務院に報告して認可をうけた後に猶予期間を延長することができる。
  (二)1996年4月1日から、新たに認可された技術改造プロジェクトが輸入する設備に対しては、一律に法定税率に従い関税及び輸入環節税を徴収する。これより前に既に国又は省の一級工事開始計画に取り入れられた技術改造プロジェクトにおいて、当該プロジェクトが輸入する設備については、猶予期間内において継続して関税及び輸入環節税減免の優遇を享受することができ、すなわち、投資額が5000万元(5000万元を含むが、本通知が発布された日より後に追加された投資を含まない)以上のエネルギー、交通及び冶金等プロジェクト、並びに投資額が3000万元(3000万元を含むが、本通知が発布された日より後に追加された投資を含まない)以上の軽工業、紡績及び電子等プロジェクトが1997年12月31日前に輸入する設備に対しては、半減して税金を徴収する。以上2種類のプロジェクトで投資額がそれぞれ5000万元と3000万元を下回る場合において、1996年12月31日前に輸入する設備に対しては、半減して税金を徴収する。規定された猶予期間内になお執行完了しない場合には、国家経済貿易委員会を通じて申請を提出し、財政部が国家経済貿易委員会、国家計画委員会、国務院関税税則委員会、国家税務総局及び税関総署とこれを検討して意見を提出し、国務院に報告して認可を受けた後に猶予期間を延長することができる。
  (三)1996年4月1日から、国務院が新たに認可した重大建設プロジェクトが輸入する設備については、一律に法定税率に従い関税及び輸入環節税を徴収する。これより前に既に国務院が認可した重大建設プロジェクトが輸入する設備については、なお原規定に従い執行する。
  (四)1996年4月1日から、全国各種特定区域(経済特区、経済技術開発区、高新技術産業開発区、沿海開放都市、沿海経済開放区、辺境対外開放都市、辺境経済合作区、沿海開放都市政策を享受する沿江開放都市及び内陸開放都市、国家旅行リゾート区、並びに上海浦東新区その他各種開発区)が輸入する各種物資については、一律に法定税率に従い関税及び輸入環節税を徴収する。経済特区及び上海浦東新区(いずれも外国投資家投資企業を含まない)が輸入する自己使用物資に対しては、国の査定する限度額に従い、関税及び輸入環節税を先に徴収し後に還付し、5年(1996年から2000年)の過渡期とし、逐年逓減する管理方法を実行する。具体的な方法については、財政部が国務院関税税則委員会、国家計画委員会、国家経済貿易委員会、国務院特区弁公室、国家税務総局及び税関総署等の関係部門に提出し、国務院に報告して認可を受けた後に実施する。中国とシンガポールの両国政府が合意を締結し、設立した蘇州工業園区に対しては、経済特区及び上海浦東新区に対する規定を参照して執行する。海南省洋浦経済開発区に対しては、なお国務院の認可した保税区に関係する税収管理政策を実施する。
  (五)1996年4月1日から、周辺国のバーター貿易及び経済技術提携プロジェクトにおいて輸入される貨物に対する関税及び輸入環節税の減免に係る規定を取り消す。辺境住民の通商貿易及び辺境小額貿易の税収優遇政策については、別途規定する。
  (六)1996年4月1日から、加工貿易及び補償貿易プロジェクトが輸入する加工設備に対する関税及び輸入環節税の徴収免除に係る規定を取り消す。

  三、国際的に通用している規則及びわが国の実情に従い、一部の輸入に係る税金徴収減免の規定を調整し、保留する。
  (一)国際公約の関係規定に基づき、国際的に通用している規則を参照して、輸入科学教育用品及び障害者専用物品、外国の中国駐在公館及び関係する国際機構とその人員の必需品、並びに外国政府及び国際組織が無償で寄贈する物品に対しては、関税及び輸入環節税減免の規定を保留し、かつ、適切に調整する。
  (二)国務院が既に認可している小型セダン及びビデオカメラの国産化率と差別税率との連動に係る規定については、「九五」期間は、これを保留する。
  (三)「九五」期間は、海上石油、天然ガスの探査及び開発プロジェクトにおいて輸入される設備及び材料に対する関税及び輸入環節税の減免に係る規定については保留し、かつ、適切に調整する。国務院の認可を経た、特定地域内の陸上石油、天然ガスの探査及び開発プロジェクトにおいて輸入される、国内では生産できず又は性能が要求を満たすことのできない設備及び材料に対する関税及び輸入環節税の徴収については、これを免除する。
  (四)「九五」期間は、民航システムが輸入する飛行機に対する輸入環節増値税の減額徴収に係る規定は、継続して執行する。
  (五)わが国の国外に常駐する外交機構人員、留学生、訪問学者、海外派遣労務人員、海外援助人員及び遠洋船員が輸入する個人的な物品に対する免税に係る規定については、暫時保留する。その他の人員が輸入する個人的な物品に対しては、1996年4月1日から、一律に税関統一規定に従い執行する。
  (六)出国港の免税店は、これを保留する。入国港の免税店は、「輸出入郵送物品に対する税関の監督管理弁法」及び「入出国旅客手荷物物品管理規定」が改正されるまで、暫時保留する。
  (七)「輸出入関税条例」第27条、28条、29条及び30条中の輸入に関係する関税減免に係る規定は、なお執行する。

  四、本通知において規定したものを除くその他の関税及び輸入環節税の減免に係る規定については、1996年4月1日から、一律に執行を停止する。

  今回の輸入に係る税金徴収政策の改革及び調整は、わが国の改革の深化及び開放の拡大において一つの重大な行動である。国務院は、なお継続して積極的な措置を講じ、外国投資家投資企業に対し、段階的に国民待遇を実行する。各地区及び各部門は、各方面における業務を努力して適切に行い、本通知の執行を真摯に貫徹することを保証しなければならない。

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