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【ミニコラム 第122号】チベット旅行

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2025年08月29日


 8月のお盆休みを利用してまたチベットに行ってきました。
 (人生で5回目、コロナ明け以降4回目…)
 今回のチベット旅行は、四川省よりの「林芝」という街からスタートし、ラサを経由して「那曲(ナクチュ)」という地区へ向かうというルートでした。
 「林芝(ニンティ)」は日本人の方には馴染みのない街だと思いますが、国道318号線上にあり、成都から車でチベット入りする中国人には有名な街で、5月には桃花節が開催され、チベット地区の中では海抜も低い(3000メートル前後)のため、植生も豊かです。
 今回はガイドと林芝の空港で落ち合うことになっていたため、上海から林芝への航空便を探したのですが、直行便はなく、成都トランジットするしかなく、かつ、成都から林芝への航空便は早朝の便しかないため、前日の遅い便で成都へ向かい、成都空港で夜を明かして結構フラフラの状態で高地入りすることになってしまいました。
 林芝の景勝地をいくつか観光し、そのあとラサに向かい、ラサ周辺の急峻な山肌にある寺院をいくつか参観したあとにナクチュへ向けて出発しました。
 ナクチュは、ラサから青海省へ向かうルート上にある高地(青蔵鉄道のルート上です)で、ナクチュ市は中国で最も海抜(平均海抜4500m)が高く、最も面積が広い市という宣伝がされています。
 ナクチュ地区へ外国人が入り、宿泊するためにはチベットに入る許可証とは別にナクチュの公安で辺境入境許可手続きを行う必要があり、ガイドが公安でその手続きを行っているときに、公安から「コロナ以降、ナクチュで辺境入境許可を行った初めての外国人だ」と言われたようです。それくらい外国人が足を踏み入れるのは珍しい地区なのですが、青い空、どこまでに広がる草原、放牧されているヤク牛…、チベットの原風景の景色がみられます。
 ナクチュでは、まず、达姆寺というお寺の頭蓋骨壁を拝観しました。昔の鳥葬場の周りの壁に頭蓋骨が整然と並べられているのですが、当時、鳥葬に使用した斧や金槌も無造作に置かれており、さすがに背筋が寒くなりました。
 次に达姆寺から4時間以上(ヘアピンカーブの続く悪路でした…)かけて、薩普神山という氷河に覆われた山々とその前に横たわる湖が見られる景勝地に向かいました。この景色については写真をご覧ください。
 ところで、私たちがナクチュを観光しているときに、ガイドあてに公安から何度も電話があり、今、どこにいるのか?ホテルには何時くらいに戻るのか?と(友好的に)聞かれていました。ちなみに当初、宿泊予定だったナクチュの郊外の町のホテルの宿泊は公安から許可されなかっため、市中心の外国人が宿泊可能なホテルに連泊することになりました。
 実はチベットは今年が自治区成立60周年にあたり、ラサで盛大な式典が開催されることになっているようで、その式典開催に向けてピリピリしているような雰囲気が漂っていました。実はチベット最後の夜に宿泊を予定していたホテルからも大昭寺(ジョカン寺、チベット教の総本山)周辺2キロのホテルでは外国人が宿泊できなくなったという連絡がきました。
 式典は私たちが上海に戻った2日後に盛大に開催されたようです。

 

永野


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