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【ミニコラム 第59号】親切心が仇となる

メールマガジン
2024年05月17日

 先日、5月15日と南京で立て続けに、道路上で血を流して倒れていた老人を助け起こした青年が駆けつけたこの老人の息子から「お前がぶつかって倒したんだろう、そうでなければなんで助ける」と言って、賠償を請求されるという事件があったようです。中国では2006年の彭宇事案、2021年の親切心で道に倒れた老婦人を助け起こした女学生事案など、助けた老人から逆に賠償金を請求され、刑事事案、裁判にまでなった事件があり、今は親切心で道に倒れた老人を助けるのは怖いという風潮になっています。
 それでもやはり倒れている人がいれば助け起こしたいと思うのが人情だと思います。
 5月15日の南京のケースでは、その息子に「お前がぶつかったというんじゃなければ証拠を見せろ」とまで言われたようですが、その青年は老人が倒れている場面から助け起こす場面も含めて最初から録画を取っていたため、その録画を駆け付けた息子及び駆けつけた警官に見せて自分の潔白を証明したようです。用意周到と言えばそうですが、そこまでしないと人助けもできないのも悲しいというか世知辛いというか…。
 ちなみにこの老人、飲酒運転でバイクを運転していて自分で転んだらしいです。それでも息子と一緒になって、助けてくれた青年を問い詰めるって…どんな神経しているんだろうと思います。皆様も人助けするときにはお気を付けください。

 

永野


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