先日、10年以上前に歩歩高タッチ学習機のテレビCMに出演し「タッチ学習機少女」として知られた高さんが、脳腫瘍を患っていることを告白し、広く注目を集めました。高さんは、2月29日にその病気と近々手術受ける予定という内容の動画をSNSに投稿した後、実際に手術を受けたことや、術後にICUで経過観察中であることなど、治療記録の動画をいくつも公開し、ネットユーザーの間で大きな関心を呼びました。しかし、動画に出てくる医師と看護師が季節外れの服装をしているといった細部の違和感があるため、ことの真偽が疑われるようになり、結局、高さんの母親が「娘のSNSアカウントはすべて契約先のMCN企業によって運営されており、関連動画の新規投稿をやめることにした」と発表しました。
そして、3月12日、杭州市余杭区インターネット違法・不良情報通報センターが声明を出し、関係動画は2023年9月に撮影されたもので、24年2月から編集を開始し、MCN企業がまるで最近の出来事のような文字説明を追加して投稿したものであるという検証結果を発表しました。同日、そのMCN企業、時期をずらして公開したのは、リアルタイムで公開すれば家族や病院に迷惑をかける可能性があったためで、動画配信時に表示した文言に重大な誤りがあり誤解を招いたことを深くお詫びすると、公式に謝罪しました。
しかしながら、ネットユーザーは、高さんの母親の声明とMCN企業の謝罪を信用していないようです。過去に起きたことを「現在形」で投稿するのは、注目を集めるために人々の好意につけ込んだ欺瞞行為であり、知らなかった、間違えたという簡単な説明と謝罪では、説得力も誠意もないからです。大多数のネットユーザーは高さんが病気を克服することを心から願っていたと思いますが、今回の事件の裏では、大衆の善意が踏みにじられた形となりました。インターネットの審査と規制を根本から強化しなければ、社会的信用システムの破壊が恐ろしいことになりそうです。
ちなみに、高さんのSNSには現在、手術関連動画の撮影日が23年9月であるという政府機関の注意喚起メッセージが表示されています。
三石