最近のテンセントニュースのトップニュースはほぼ「全妹妹(全紅嬋の愛称)」の話題です。
全紅嬋のことは、日本ではあまり報道されていないようなので知らない方もいると思いますが、中国の飛び込み選手で16歳。先日、閉幕したアジア大会でも審査員全員が満点をつける飛び込みで優勝しましたが、彼女は東京オリンピック開催半年前の中国国内大会で全く無名の選手として参加し、いきなり優勝、すぐに国家チーム入りし、その後、東京オリンピックには14歳という年齢(コロナで開催が延期されたため年齢制限をクリアできたようです。)で参加し、金メダルを獲得しています。東京オリンピックで若干14歳で金メダルをとってから、中国での認知度と人気が急激に上昇しており、「全妹妹」という愛称で可愛がられています。
彼女の飛び込みが非常に素晴らしい(是非、動画でみてほしいのですが、入水時の水しぶきはほとんどでない)のは言うまでもありませんが、彼女の人気がここまで高まっているのは、彼女の生い立ちにあります。
彼女は広東省湛江市の貧農家庭の出身で、兄弟5人の3番目の子供であり、食べるにも事欠くような生活であったため、7歳のときに口減らしのために体育学校に入校したようです。その後、毎日、ハードなトレーニングを弱音を吐くことなく、黙々と続けたようですが、なんでそんなに頑張れるのかと聞かれ、「お金がないから」と答えたインタビュー動画もあり、更には、貧しい暮らしのなか、母親が交通事故にあい、多額の医療費が必要で、母親に治療を受けさせたいから頑張っているという話もあり、彼女は自分の家族の期待を一身に背負って頑張っていることが国民の感動を呼んでいます。まるで中国版「おしん」です…。
是非、一度、「全妹妹」の飛び込み動画をご覧ください。
(永野)