すでに日本のマスメディアでの報道されていますが、「口紅王子」として知られるインフルエンサーの李佳琦(Li Jiaqi/オースティン・リー)が、炎上しています。
彼は、買う価値なしと判断した製品は容赦なく批判する姿勢(シャネルなどのラグジュアリーブランドであっても批判を緩めない姿勢)で、何百万人もの人々の共感を集めてきました。そんな彼が、9月10日、ライブストリーミングで国産ブランド「花西子」のアイブロウペンシルを紹介した際、「このブランドはどんどん高くなってる」とコメントしたネットユーザーに対して、「高いだって? 何年も同じ値段だよ。寝言は寝て言えよ」、「たまには自分自身の理由を探してみたら? 長い間、給料が上がってないの?真面目に働いてる?」と発言し、多くのネットユーザーの反感を招き、あっという間に「李佳琦、ライブコマースでネットユーザーをディスる」、「李佳琦 花西子」というトピックがWeiboのトレンドワードに躍り出て、李佳琦が二度にわたって公開謝罪を行っても沈静化せず、李佳琦のWeiboはわずか3日で130万以上のフォロワーを失い、ブランドも批判にさらされて炎上しました。
同ブランドのアイブロウペンシルは海外の大手ブランドと比べてもグラム単価が高いのは確かですが、今回の事件が大きな注目を集めたのは、主に李佳琦自身の発言が、彼が確立してきた「最も高価な商品ではなく、最もふさわしいものしか推薦しない」という人物設定から逸脱していたからです。
李佳琦の「イメージ潰れ」はもちろん、トップインフルエンサーとしての傲慢な態度と、国産美容製品の賛否両論ある価格設定に起因していますが、長いあいだ無敵だったインフルエンサーたちの「感情消費モデル」が通用しなくなったともいえます。
また、今回の炎上は、インフルエンサーとの提携によって一躍有名になったブランドも、インフルエンサーがアーティストとしての属性やファンを持っている場合、その「イメージ潰れ」がブランドに跳ね返ってしまうという典型的な事例になってしまいました。
有名なインフルエンサーが巨額脱税で次から次へと摘発されるなか、現在まで生き残った李佳琦ですが、思わぬところで足元をすくわれることになっています。ただ、彼はもう十分に巨額を資産を有しているようですが…
(三石)