8月中旬に現在、中国で最も人気の高い路線である青蔵鉄道に乗ってチベットに入る旅行に行ってきました。30年前ぶりのチベット再訪だったため、この30年前でチベットがどのように変化しているのかも非常に興味がありました。
ラサの街は30年前とは様変わりしていました…。中国のこの20年の経済成長を考えれば当たり前と言えば当たり前ですが、ポタラ宮、大昭寺などの観光スポット以外の街並みには昔の面影はまったくなく、道路も整備され、たくさんの車(結構、高級車が多い)が走り、郊外には開発区も設置され、ラサは豊かになっていました。一旅行者からすると昔の方がよかったというノスタルジックな思いはあるのですが… 住んでいる人にとっては物質的には便利で豊かになった今のほうがいいはずであり、時代の流れですから仕方ないですね。
4000mの峠を越えて走る青蔵鉄道の列車は気圧調整が行われており、酸素濃度を平地の80%に調整しているということでした。そのため、列車内では高山病の症状はでなかったのですが、ラサに到着して、結構な歩数を歩いた日には手先が痺れるというような高山病の軽い症状がでました。ガイド曰く「旅行者の7から8割は高山病の症状がでます」ということでしたが、幸いにも軽い症状だったので行動に支障がでるようなことにはなりませんでした。
ところで、今回のチベット旅行で一番印象に残ったのは何かというと、それは「安全検査の徹底」と「解放軍の多さ」でした…。例えばポタラ宮に入るためには、まず、ポタラ宮前の広場に入るときに安全検査があり、それからポタラ宮敷地に入るために安全検査、そのあと内部に進んでもう一回と…計3回の安全検査を受けました。また、解放軍についてはラサ市内に駐屯基地がいくつか設置されており、軍人も多く目にしましたが、市中心のチベット教の聖地である大昭寺の前の広場では機関銃を携えた軍人が4,5人警備していました。30年前はまったくなかったことだったので‥‥。いろいろな思いが交錯した旅になりました。
(永野)