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【速報】新型コロナウイルス流行期間の上海における社会保険減免政策及び申請方法(無料公開)

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2020年03月10日

【速報】新型コロナウイルス流行期間の
上海における社会保険減免政策及び申請方法

執筆者:上海律師協会労働法業務委員会メンバー                                 
   上海融孚律師事務所 高級パートナー/中国律師                         
  労働業務研究委員会主任                                                         
キャストコンサルティング(上海)有限公司 法律顧問    李 淑芹

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一、 社会保険の減免規定
 企業の社会保険料を段階的に減免することに関する人的資源社会保障部、財政部及び税務総局の通知(人社部発[2020]11号)には、次のように規定されています。

一、2020年2月から、各省、自治区、直轄市(湖北省を除く。)及び新疆生産建設兵団(以下「省」と総称する。)は、感染症流行により受けた影響の状況及び基金引受能力に基づき、中型・小型・微小型企業の三項社会保険の単位納付保険料部分の徴収を免除することができ、徴収免除期間は5か月を超えない。大型企業等のその他の保険加入単位(機関・事業単位を含まない。)の三項社会保険の単位納付保険料部分については、半減して徴収することができ、軽減徴収期間は3か月を超えない。
二、2020年2月から、湖北省は、各種保険加入単位(機関・事業単位を含まない。)の三項社会保険の単位納付保険料部分の徴収を免除することができ、徴収免除期間は5か月を超えない。
三、感染症流行の影響を受けて生産・経営に重大な困難が生じた企業は、社会保険料の納付猶予を申請することができ、納付猶予期間は原則として6か月を超えず、納付猶予期間においては、延滞金の徴収を免除する。

 この規定に基づくと、雇用単位の社会保険会社負担分は、企業の規模に応じて免除又は軽減されますが、労働者個人の社会保険は減免されません。
 総括すると次のようになります。
 

 保険
種類

 

 

 養老保険

 失業保険

 労働災害

 地区

 企業類型

 期間

 単位

 個人

 単位

 個人

 単位

 湖北

 すべて

 2-6月

 徴収免除

 ×

 徴収免除

  ×

 徴収免除

 他省

 中型・小型・微小型企業

 2-6月

 徴収免除

 ×

 徴収免除

 ×

 徴収免除

 大型企業

 2-4月

 半減

 ×

 半減

  ×

 半減

 注: ×は減免されないことを示す。

中型・小型・微小型企業の標準については、「中小企業類型区分標準規定」(工信部聯企業[2011]300号)を参照。


二、上海での社会保険料減免にかかる関連政策

 上海では今のところ、滬人社弁(2020)44号について具体的な実施弁法が出されていませんが、中国共産党上海市浦東新区委員会宣伝部のオフィシャルWeChat「浦東発布」においては、既に次のように明確にされています。
 ● 企業の規模に基づき、社会保険の単位納付保険料の部分について、徴収免除又は軽減徴収をすることができる。
 ● 中型・小型・微小型企業の2020年2月から6月までの養老保険、労働災害保険及び失業保険の単位納付保険料については、すべて納付を免除する。
 ● 大型企業の2020年2月から4月までの三項社会保険の単位納付保険料については、半減して徴収する。
 ● 社会保険の個人納付保険料については、納付を免除せず、企業はなお代理控除・代理納付をしなければならない。

 なお、「2020年の当市従業員基本医療保険の保険料納付料率を段階的に引き下げることに関する上海市医療保障局の通知」(滬医保待(2020)11号)では、次のように規定しています。
 

2020年2-12月において、当市従業員の基本医療保険(出産保険を含む。)の単位納付保険料の比率を0.5ポイント引き下げて、現行の10.5%から10%とし、個人納付保険料の比率については調整をしない。当市の非正規雇用人員が納付する従業員基本医療保険については、現行の11.5%から11%に引き下げる。

 さらに、「当市企業の従業員基本医療保険料を段階的に減額徴収することに関する通知」(滬医保規(2020)1号)では、次のように明確にされています。
 
 

2020年2-6月において、企業の加入する従業員基本医療保険(出産保険を含む。)の単位納付保険料の部分については5.25%の比率に従い保険料を納付し、個人納付保険料の比率については調整をしない。


 よって、2020年2月から12月まで、上海の企業が加入する従業員基本医療保険(出産保険を含む。)の単位納付保険料の部分は、(1)2-6月は5.25%の比率で納付、(2)7-12月は10%の比率で納付、というように、2段階に分けて異なる比率により保険料を納付することになります。

 「上海市が全力で感染症流行を予防・抑制し、企業の安定的かつ健全な発展を支持・奉仕することにかかる若干の政策措置」(滬府規[2020]3号)にも、社会保険の面で次のような企業支援・職位安定化政策があります。
 ● 2020年において、当市は、人員削減せず、削減人数を抑え、条件に適合する雇用単位について、単位及びその従業員の前年度に実際に納付した失業保険料総額の50%の返還を継続する。
 ● 2020年から、当市の従業員社会保険料納付年度(従業員医療保険年度を含む。)の開始・終了日を当年7月1日から翌年6月30日に調整し、3か月遅らせる(2019年従業員社会保険料納付年度を2020年7月1日まで順延する。)。


三、上海における社会保険減免の申請方法

 社会保険の減免につき申請手続をする必要があるかどうかについては、「浦東発布」において「不要」であることが明確にされています。社会保険の減免は、各地の人社、税務部門が企業類型を確定した後に、システムにおいて自動的に「タグの追加」がなされて減免が行われ、保険加入単位は確認するのみで足ります(異議があれば申し出ることができ、異議がなければOKとすればよい。)。
 また、新型コロナウィルス流行の影響を受けたことにより経営困難となり、雇用単位が社会保険料の納付を数か月遅らせたいと思った場合は、社会保険料納付期間の延長をオンラインで申請することができ、報告・備案を経た後はひとまず社会保険料を納付せず、最も遅くとも感染症流行の終了後3か月内に追納すればよく、従業員が享受する社会保険待遇にも影響しません。
 具体的な申請手続は、「上海社保」のWeChat公式アカウントをフォローし、下部の「サービス·社」の欄から「納付延期報告備案」を選択すれば、「社会保険料納付期間延長オンライン予約システム」に入ることができますのでそこで登録します。そうすると社会保険機構から3業務日内に電話があり、関連状況についてのヒアリングされることになるようです。

                                                        以上