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2008年03月18日

 身体機能の部分的欠陥又は欠損、加えて、社会における障害者への誤った理解とその能力についての認識の低さから、障害者の職業選択及び就業には、常に大きな壁が立ちはだかっています。障害者にとって無職であるということは、基本的な生活の維持が困難になることを意味するだけではなく、それ以上に、彼らの社会的価値が実現されないことをも意味するのです。

 障害者の就業問題を解決するため、国務院は「障害者就業条例」を発布し、企業が雇用すべき障害者の比率に対して明確な規定をしています。

 第8条「雇用単位が障害者の就業を手配する比率は、当該単位の在職従業員総数の1.5パーセントを下回ってはならない。具体的な比率は、省、自治区及び直轄市人民政府が当該地区の実情に基づきこれを定める。」

 当該条例は、規定の比率に従って障害者を雇用していない企業についても相応の規定をしています。

 第9条「雇用単位は、障害者の就業を手配し、その所在地の省、自治区又は直轄市の人民政府所定の比率に到達しない場合には、障害者就業保障金を納付しなければならない。」
 
 上海市政府の公布した(82)号政令、「上海市障害者分散手配就業弁法」は、障害者就業保障金に対して、より一層厳格な規定をしています。

 第5条「障害者の就業手配が規定の比率に到達しない単位は、当該単位の前年度における従業員賃金の総額の1.6パーセントの比率に従って障害者就業保障金を納付しなければならない。」

 このような政策の下、規定の比率に従って障害者を雇用していない企業は必ず巨額の障害者就業保障金を支払わなければならなくなり、大規模で従業員数の多い企業にとっては、その財務的負担は相当に重いものとなってしまいます。このため、障害者を雇用し、障害者が自身に適した就業職位を得られるよう支援することは、企業がその社会的責任(CSR)を果たすよう尽力しているという表現になるだけではなく、企業イメージの向上にも役立ち、更には障害者就業保障金の支払いが免除され、障害者就業促進と関わる税収優遇政策を享受できることにも繋がるのです。企業の立場に立てば、障害者の就業に協力することは一挙「多」得であり、他者にも自己にもメリットのある行為だということができます。

 企業の皆様に障害者の就業についてより一層ご理解いただけるよう、このレポートは、現段階の障害者就業状況、中央及び地方の関連法令規定、障害者連合会の機能及び障害者雇用の流れ等について深く掘り下げた詳細な報告となるよう心がけました。障害者の就業を安定配置する際に、皆様の実務上の一助となれば幸いです。